デジタル

バトル、課金…『ドラクエウォーク』をやって『ポケモンGO』フリークの私が感じたこと

比較ポイントその3【課金】

 課金に関しては『ポケモンGO』のほうが、いわゆる“課金圧”が圧倒的に低いデザインとなっています。『ポケモンGO』にはガチャもなく、普通に遊ぶ分には課金の必要性がほとんど感じられません。  対照的に『ドラクエウォーク』はガチャ(ふくびき)があるソーシャルゲームの文法に則っていて、強力なスキルがついた星5の武器を引いてから強化するのがゲーム攻略の王道です。10連ガチャは3000ジェム(3000円)。歩数やバトル数によって「マイレージポイント」が貯まり、無課金でもガチャは引けますが、貯めるにはかなりの時間と労力がかかります。期間限定ガチャが早くも複数登場し、全体的にガチャが引きたくなるゲームデザイン。ガチャの誘惑に弱い人は、財布のヒモを締め気味にプレイしたほうがいいでしょう。

星5の装備は、星4と比べ強力なスキルが付属している

 ちなみに、マイレージポイントがたまるペースが速い(通常の2.5倍)「ゴールドパス」が1週間分1000円で販売されています(「リリース記念」として4週分2000円のセットもあり)。ガチャそのものには課金せず、このパスを購入するだけに留める“微課金”の選択肢もあります。サブスク的な課金方法は、毎日コツコツ歩くウォーキングゲームに合っています。

比較ポイントその4【原作性】

 原作の面白さの再現に関しては『ドラクエウォーク』に軍配が上がります。『ポケモンGO』には歴代のポケモンが登場しますが、原作ゲームのストーリーやシステムは、あまり踏襲されていません。  その点、『ドラクエウォーク』は原作の世界観が存分に活かされ、BGMも『ドラクエIII』をベースに心のふるさとのようなメロディの数々が流れます。既に始まっている『ドラクエI』イベントでは、懐かしのストーリーを追体験でき、フィールドもドット絵調に変化します。

開催中の『ドラクエI』イベント。地名や敵も懐かしい

 スマホゲーム『星のドラゴンクエスト』の展開を見るに、今後も原作シリーズや派生作、人気のコミカライズ作品など、厚みある作品群を活かしたイベントが続くのは確実。多くのドラクエファンが懐かしく遊べることでしょう。  以上4点を比較してきましたが、簡単にまとめると、『ポケモンGO』はスマホゲーム初心者にもわかりやすく、歩くときのパートナーになってくれるタイトル。一方、『ドラクエウォーク』はコマンド式RPGの面白さのなかにうまく歩く要素を組み入れたタイトル。そもそもの出発点に違いがあるように感じます。今後も何かと比較されるであろう『ドラクエウォーク』と『ポケモンGO』。両者は異なる立ち位置でスマホゲーム界を引っ張っていきそうです。
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
1
2
おすすめ記事