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劣等感だらけでも「成せばなる」と思えた経験/歌舞伎町10億円女社長

黒服も「一緒に受験する」と言ってくれた

 とはいえ、休みの日にウエイクボードをレンタルして遊んだとき、水上バイクの免許を持っている人が周りに少ないので、全員がウエイクボードに乗れず、待ちができて不都合でした。せめて仲間うちであと何人か水上バイクの免許を持っている人がいると、ウエイクボードがひっぱれるのでもっと楽しいのに、と思っていました。  遊びの資格だし、店の人に強制するわけにもいかないので、「わたしが免許を取ろうかな」と言いました。すると、黒服も「一緒に受験する」と言ってくれ、わたしたちは免許の取得を目指すことになりました。  試験の1か月くらい前になると、教科書と過去問の分厚いテキストが送られてきて、気が滅入りました。案の定、ちらっと開いてみたら全然関心のない言葉が羅列されていました。  黒服からの「まず、ざっとテキストを読んで、意味がわからない言葉があったら説明しますから」という言葉に励まされ、わたしは勉強を始めました。

1日だいたい15分の勉強しかしない

テスト 試験 中身をひと通り読んでみると、わからない言葉はたくさんあるけど、わかる部分もあります。過去問をやってみると、案外、常識的なものもあって「毛嫌いするほどでもないかな」と思えてきました。  黒服に説明をお願いすると、スラスラとできる箇所もありました。でも、学科の勉強は基本的に嫌だったので、40項目ある過去問を1日2項目ずつやることに決めました。これを20日で終えるようにし、1日だいたい15分の勉強しかしないようにしました。「一気にたくさん勉強したり、前日に一夜漬けみたいなことをすると嫌さが増すな」と無意識のうちに悟りました。  受験日の前日には、実技テストのロープの結び方、水上バイクの点検方法、具体的な乗り方といった講習がありました。ロープの結び方は4種類あり、その結び方を覚えなくてはいけません。何回、結んでみても、ほかの結び方と混同してしまいます。  1回結べるようになっても、ほかの結び方を聞いたら、また前の結び方がわからなくなりました。みんなトントン拍子に覚えていく一方で、「なんてわたしの頭は悪いのだろう」と悲しくなりました。

水上バイクを運転する実技をやってみて

 点検はもっと複雑でした。26種類ある点検部位を覚えて、どんな点検をするのかを実際にやってみなくてはいけません。黒服は男の子なのでバイクに乗ったことがあって「部品が似ているので頭に入ってきやすい」と言っていました。  でも、わたしにとっては人生で初めてみる単語ばかり。まるで、呪文のように部品を唱えるうちに、ようやく頭に入って行きました。一番難航したのが、水上バイクを運転する実技です。2種類のコースを20キロ以上で走らなければいけないのですが、バイクに乗った時のような風を受けながらジグザグ走行するのは相当怖かったです。  ジグザグ走行に気をとられると前方確認や後方確認を忘れるし、カーブを切るときにジェットは水の力を利用して曲がるので、曲がる時にジェットのエンジンを加速しなければいけないのですが、これも曲がる時に落ちそうで怖いので無意識のうちに減速してしまい、何度も注意されました。  全体的にエンジンを一定に保って運転しないといけないのですが、早くなったり遅くなったり、そもそも運転すること自体が相当怖かったです。運転の実技講習が終わった後、「これじゃ落ちるな」と思ったので、すぐに追加講習を申し込んで特訓してもらいました。
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そして試験当日を迎えて…どうだったか?
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