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米津玄師はニコ動出身のアーティストって知ってた? その創作活動を振り返る

2012年:米津玄師名義での音楽活動を開始

 2012年2月20日、本名である米津玄師の名義で、ニコニコ動画に『ゴーゴー幽霊船』のMVを投稿。1年以上にもわたる沈黙を破る。  米津は同年5月16日に、自身がアートワークと全曲の作詞、作曲、編曲、ミックスを手がけた1stアルバム『diorama』をリリース。そのプロモーションとして、ニコニコ動画とYouTubeにアルバム収録曲である『ゴーゴー幽霊船』、『vivi』、『恋と病熱』のMVと、アルバムのクロスフェードデモを投稿した。  ボーカロイドプロデューサーとして名を馳せながらも、完全新曲で本名名義、本人歌唱のアルバムを制作したことについて、米津は当時のインタビューで「ボーカロイドの隠れ蓑にはなりたくない」と答えており、その後はシンガーソングライターとしての活動を本格化させていくのだった。

2013年:満を持してメジャーデビューへの挑戦

『diorama』の発売から1年後の2013年5月29日、米津はユニバーサルシグマから『サンタマリア』をリリース。メジャーシーンに活躍の場を移すことになる。  これまで一人で音楽活動をしていた米津だったが、『サンタマリア』では共同制作であるバンドレコーディングに挑戦。そういったこともあってか、後のインタビューで米津は『サンタマリア』について「ものすごく大きな転機になった」と語っている。  また、2013年10月28日にはハチ名義でGUMI歌唱の楽曲『ドーナツホール』を投稿。2年9ヶ月ぶりの新曲は以前のような打ち込みではなく、生のバンドサウンドで制作された。

2014年~現在:そしてネット配信時代の覇者に

 その後もコンスタントに作品を発表していた米津は、ユニバーサルシグマからソニー・ミュージックレコーズへと移籍した2016年に大きく躍進する。米津が持ち前の長身を活かしたダンスを披露した、5thシングル『LOSER/ナンバーナイン』の収録曲『LOSER』のMVが大きな話題を呼んだのである。  これがきっかけとなり、2017年に発表されたMVは全てYouTubeでの再生回数が1000万回を突破。映画やアニメとのタイアップでも知名度を上げ、オリコンが発表した『2017ブレイクアーティストランキング』では、アンケート対象である10代~50年代の全年代で1位を獲得するに至ったのだ。  同じく2017年には、初音ミクの10周年を記念し、イベント『初音ミク「マジカルミライ2017」』のテーマソングとして『砂の惑星』を提供。ハチ名義での楽曲としては約4年ぶり、初音ミクを起用した楽曲としては約7年ぶりの新曲であった。  ――今年でハチ名義からの音楽活動10年目の節目を迎えた米津。ニコニコ動画出身のアーティストであるという知識をしっかり身につけておけば、米津ファンの20代とも会話を合わせられるはずだ。<文/佐久間翔大(A4studio)>
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