少女漫画が原作のアニメに感動して人生が変わることもある
―[魂が燃えるメモ/佐々木]―
いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第136回
『俺物語!!』(集英社)という少女漫画がある。男気に溢れ、いかつい風貌の高校一年生剛田猛男と、お菓子作りが趣味のおっとりした女子高生大和凛子を中心にしたラブコメディだ。少女漫画らしからぬ主人公のルックスが話題になり、アニメ化や実写映画化もされた。
この『俺物語!!』に砂川誠というキャラクターがいる。砂川は剛田の幼馴染で、あまり感情を見せないクールな二枚目という役所だ。しかし、そんな彼が感情を吐露する場面がある。それはアニメ版の9話で彼の父親が心臓の病で倒れ、手術を受ける時だ。
「手術、今回二回目なんだけど実は結構ヤバくて、倒れた日、母さんと姉さん旅行で留守で、家に父さんと俺しかいなくて、俺は学校帰り、本屋寄ったり CD見たりして、帰ったら倒れてて、父さん一人で、いつから倒れてたのか、俺がもっと早く帰っていれば、出かけていなければ、こんなことにならなかったかもしれなくて、俺のせいだ」
私はこのシーンにとても心を揺さぶられた。それは私が仕事にしている「人生相談」によく似ていたからだ。人生相談の本質は「相手にこうしなさい」とアドバイスすることではない。自分がどう思っているのか、相手が秘密にしている本音を言わせることにこそ、その本質がある。
人間には誰しも、砂川のように罪悪感に押しつぶされそうになる時がある。そして、まるで自分を罰するかのように周囲から孤立し、ますます罪悪感に苛まれるようになる。その状態から抜け出すのに必要なのは罪の告白だ。教会の懺悔室もそのためにある。
とはいえ、ただ懺悔室に入るだけでは、秘密にしている本音を言えるようにはならない。相談者が本音を話すには、「相手の言葉をどこまでも聞き入れる」という相談役の決心がいる。相談役の決心が伝わってはじめて、相談者は自分の本音を話せるようになる。
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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