更新日:2019年11月21日 16:23
デジタル

「Windows7のサポート終了」どころじゃなかった! XPや95…旧OSを使い続けるニッポン企業

地方の町工場では切実な問題

 このように、個人は愛だけで旧OSを使い続けられるが、森田氏によると切実な問題を抱えている顧客も存在するという。それはモノ作りを支える地方の町工場だ。 「町工場の機械を動かすコンピュータはバブル期に導入されたものが多く、そのまま使われてきました。コンピュータで運用されているシステムは、会社ごとに開発されたオリジナルのものなので、新しいOSはサービスの対象外。OSに合わせて設備を入れ換えるには数千万円のコストがかかる場合もあると言われていて、足踏みする町工場は多いです」(森田氏)  さらに、後継者不足の問題もネックに。森田氏のもとには、廃業予定の町工場から、廃業するまでPCを維持させてほしいという依頼も多く寄せられているという。 「たとえいま後継者がいなくても、旧OSのPCを延命して町工場の寿命を延ばすことで、会社が再評価されて後継者が現れる可能性もある。日本の底力である町工場を残すためにも、少しでも多くのPCを延命させたいですね」  人知れず、日本のモノ作りを支えていた旧OSのPC。地方の町工場では、コストや後継者不足の問題はあるものの、旧OSが役目を終えることは当分なさそうだ。
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ピーシーエキスパート代表 森田達也氏

【ピーシーエキスパート代表 森田達也氏】 PC修理の鉄人。「直せないPCはない」と豪語し、他店が匙を投げたマシンの修理も担当。これまでに2万台を超えるマシンを延命させてきた <取材・文/辰井裕紀 黒田知道 写真/朝日新聞社 ピーシーエキスパート> ※週刊SPA!11月19日発売号より
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週刊SPA!11/26号(11/19発売)

表紙の人/ 鈴木 聖

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