(楠瀬誠志郎編)
アナログ盤、CD、DVDなど約2万枚以上。さらに雑誌やポスター、グッズ、珍品なども所有し(現在も収集中)、アーティストからも認められるほどの大の音楽ファンのクリス松村が、秘蔵のコレクションからとっておきの1枚を披露!
寒い日が続いていますが、みなさん風邪など引いていませんか? 私の秘蔵レコードをかけながら、素敵なゲストと、とっておきのトークを繰り広げる音楽番組『ミュージック・モア』でMCを務めているクリス松村です。
今回のゲストは、あたたかく包み込む“天使の歌声”と呼ばれる、シンガーソングライターの楠瀬誠志郎さんです。
“天使の歌声”と呼ばれる、シンガーソングライターの楠瀬誠志郎さん
デビュー前は、山下達郎さん、来生たかおさん、小林武史さん、EPOさんなど、数々のアーティストのレコーディング、ツアーに参加し、1986年にCBSソニーより『宝島』でデビュー。その後、『ほっとけないよ』『しあわせまだかい』が大ヒット!
番組のオープニングでは、クリスマスシーズンにぴったり! 郷ひろみさんに提供された『僕がどんなに君を好きか、君は知らない』を歌っていただきました。この曲は胸にしみる名曲なので、ぜひ番組でお聴きいただければと思います。
“第二の聖子”と呼ばれたアイドルのその後?
そんな楠瀬さんのための「クリスのお宝箱」では、フタを開けた途端、「うわあ〜、これはお宝ですね!」と目を丸くして喜んでくれました。宝箱の中から取り出したレコードは、高橋美枝さんのデビューシングル『ひとりぼっちは嫌い』(1983年)。
左が高橋美枝さんのデビューシングル『ひとりぼっちは嫌い』
高橋美枝さんは、『スター誕生!』から登場したアイドルで、聖子さんとレコード会社が同じCBSソニーだったので、“第二の聖子ちゃん”と期待されたアイドルでした。
デビュー曲『ひとりぼっちは嫌い』の作詞は松本隆さん、作曲は元オフコースのメンバー松尾一彦さん。なぜ、「クリスの宝箱」で取り上げたかというと、楠瀬誠志郎さんの初期の作品を、高橋さんが作詞されていたからです。
「そうなんですよ。僕ね、作詞家の風堂美起さんが、しばらくアイドルの高橋美枝さんだったと知らなかったんですよ。それにしても、クリスさん、よく知っていますね!」
「クリスのお宝箱」に、楠瀬さんも驚いてくれました
高橋美枝さんは、83年にデビューされて、可愛いし、歌もうまいし、ファンも多かったんですが、86年には作詞家に転向され、「風堂美起」の名義で、薬師丸ひろ子さん、少年隊、織田裕二さん、大西結花さんなどに詞を提供されています。
アイドルの話で盛り上がったので、さらに「クリスのお宝箱」から出したレコードは、橋本美加子さんの『蒼いときめき』(1985年)と、武田久美子さんの『夢の飛行船』(1984年)。どちらも作曲が楠瀬誠志郎さんなんです。
左が橋本美加子さんの『蒼いときめき』、右が武田久美子さんの『夢の飛行船』です
ちなみに、橋本美加子さんの『蒼いときめき』は、当初は武田久美子さんの4枚目のシングルになる予定だったそうです。
この2人は、おニャン子クラブなど、アイドルが豊作の時期にデビューしたので、いつしか見なくなってしまいました。それでも武田久美子さんは、1989年、ホタテガイの“貝殻ビキニ”を披露した写真集で話題を呼び、最近では映画『翔んで埼玉』に出演されています。
そんな2人のアイドルに曲を提供した楠瀬誠志郎さんですが、レコードに載っている名義は「誠志郎」のみ。
「え? そうでしたっけ」と本人も半信半疑なので、レコードのジャケットを見せると「あ、本当だ」と楠瀬さん。「ご存知なかったんですか?」と私のほうがびっくりしました。こんなアイドル話に花が咲くと、番組内では話しきれないことばかりです。
「あ、本当だ」と楠瀬さん
これ以外にも、楠瀬さんが手を叩いて爆笑したワケは、11月30日放送の番組で、ぜひご覧ください!
タレント、音“楽”家(おんらくか)。
邦楽、洋楽問わず、音楽好きが高じて、番組出演にとどまらず、テレビやラジオの番組監修、構成、音楽解説なども手掛ける。TOKYO MX『
ミュージック・モア』(毎月第1・第5土曜日午前11時30分放送)ではレギュラーMCを務める。