更新日:2023年05月15日 13:03
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「桜を見る会」からわかる政治家の三権分立認識の危うさ/金子恵美×宮崎謙介の夫婦放談

金子:本当に功績がある方が参加して桜を愛でるのなら素晴らしい行事だし、説明もせずに逃げ回って簡単にやめちゃうのは一番ダメですよね。杜撰な運営と不明瞭な招待基準を見直して、素直に反省をすればここまで問題が大きくなることはなかったはずなのに……。野党が招待者名簿資料の公開を要求したその日にシュレッダーにかけていたとか、「障害者雇用の職員が作業を担当していた」とか、言い訳としても本当に酷い。 宮崎:19年9月に提出された20年度予算の概算要求では、桜を見る会関連の予算は19年度の3倍超。セキュリティ対策のためって説明されていたけど、これもおかしいんだよね。 金子:私が母と叔母と参加したときは、手荷物検査で20分以上待って、入場するまで結構時間がかかったんですよね。ただ、これも既に報道されていますが、安倍総理の後援会の招待客たちは、ツアーバスの中で検査が済んでいるということで、手荷物検査もなくて、待たずに入場していた。  さらに、本来は8時30分に開門のはずなのに、それより先に入場して安倍総理と記念撮影をしているという。セキュリティ強化のために予算を増やすと言っておきながら、セキュリティガバガバじゃん!って思っちゃいますよね(笑)。  あとは、会場ではテントに食べ物が用意されているんですが、母と叔母が入場したときには食べ物ももう一切なくなっていたんですよね。「毎年参加していてルートがわかっている常連さんが食べてるのね~」なんて話してたんですけど、もしかしたら、安倍総理の後援会の人たちが1000人以上先に入って食べ尽くしちゃってたんですかね(笑)。本当に、無自覚に参加していた私と母、叔母がそんなことに文句を言う権利がないのはわかっているんですけど……。 ――公職選挙法に抵触する恐れがある前夜祭の問題についてはどう考えていますか? 金子:政治家のパーティって、主に秘書が企画してホテルと交渉するんですが、基本的には政治資金を集めるために開催するので、1万円のプランしかなくても、人数が多いから、とか、食べ物は減らしていいから……と、値切ってなるべく安くしてお金を浮かせるのが普通のやり方なんです。 宮崎:それは野党の議員もやっていることだと思います。前夜祭については、そこで利益を出そうとは考えていなかっただろうから、トントンにしてなるべくいい食べ物を出してあげたい……くらいの気持ちで秘書が計画したのかな、と思います。なるべく節約してパーティを開催するのは、政治家なら多くの人がやっていること。 金子:蓮舫さんが「私は政治資金パーティを開いたことがない」とTwitterで書いていたようですが、え、本当に!?と思ってしまいました。与党は野党より政治活動にどうしてもお金がかかってしまうというのもありますが……。政治資金が潤沢な議員ばかりではありませんから、合法の寄付や政治資金パーティでみんな必死にお金を集めている。政治資金パーティ=悪というわけではないんですよね。  個人的には、前夜祭についても、安倍事務所がホテルに差額を払ったとも、ホテル側が差額を負担したとも考えがたいと思っています。でも、ホテル側が「明細書は7年間保管しているし依頼があれば再発行は可能」と言っているのに「明細書の発行はなかった」と、お金の流れを明らかにせずに逃げ回っているのだから、それはもう公職選挙法違反や贈収賄罪を疑われてしまいますよね。  何でちゃんと説明できないのか……それは自民党議員も多くが思っているのではないでしょうか。説明が下手すぎるからどんどんドツボにはまっているなと。「前夜祭参加者の多くがオータニに宿泊するから割引してもらった」といういいわけも、結局オータニに泊まってない人のほうが多かったと明らかになっていましたし、調べれば後でわかってしまうような言い訳を、なぜしてしまったのか……と驚きました。
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説明する側が「もっと議論すべきことがある」は通らない
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