コロナ不況を味方につけるメガネのJINS、過去2度の経営危機を乗り越え…
―[あの企業の意外なミライ]―
価格均一のメガネを販売することで知られるJINSホールディングス(以下、JINS)の業績が好調です。
「JINS 花粉 CUT」が新型コロナウイルスの感染を防ぐ“目のマスク”として消費者の間で注目を集めているようで、コロナ不況の影響を受けるどころか、今期は大きな売上げアップが見込まれています。
しかし、2006年の上場以来、JINSは過去2度の大きな経営危機がありました。
あのファーストリテイリングの柳井正氏社長から「この株価は将来性がないと思われている」とも言われたことのあるJINS。上場から間もない2008年8月期から2期連続で赤字に転落し、上場廃止の危機に陥りました。
2009年、起死回生の一手として実施したのがビジョンづくりと、「料金体系の見直し(レンズ追加料金なしのNEWオールインワンプライス)」と、「Airframe発売」「テレビCM」「屋号の統一」「JINS原宿店リニューアル」という施策。
それにより業績が回復したことで2011年に、新しい“視力の良い人でもかけられる機能性アイウエア”という新機軸で「JINS PC(現在のJINS SCREEN)」「JINS Moisture」を発売。その「JINS PC」が大ヒットするも、程なくして失速。他社から類似品が発売されたことで、差別化が難しくなり業績が伸び悩み2度目の危機が訪れました。ところが、今期は売上高681億円、営業利益83億円の過去最高の見通しとなっています(2020年8月期)。
JINSは、いかにして2度目のどん底からいはい上がったのでしょうか。
私、馬渕磨理子が、そのV字回復の理由を“クリア”に3分でお届けしましょう。目指すは、視力検査でよく見せられがちな、草原の向こうにある気球レベルのくっきりさです。
JINSは「V字回復」の教科書
「目が悪くなくてもメガネを買う」が発見
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi
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