自作OK!新型コロナウイルス対策でお酒を消毒に使うのがありになった
3月20日に「新型コロナウイルス対策で消毒にお酒を使うのはありなのか?」の記事で、お酒で消毒するのはオススメしないと書きました。しかし、その後の3月23日、厚生労働省医政局経済課が都道府県の衛生主管局などに対して、「新型コロナウィルス感染症の発生に伴う高濃度エタノール製品の使用について」という通達を出しました。
手指消毒用エタノールの共有が不足しているので、医療機関などでも高濃度エタノール製品を代替品として用いてもよいという内容です。つまり特例的な対応ですが、新型コロナウイルス対策で消毒にお酒を使うのはありということになったのです。
その後、各酒造メーカーがいろいろな製品を市場に投入。4月10日には高知県の菊水酒造から「アルコール77」が発売されました。アルコール度数は77度で、容量は500ml、価格は1200円(税抜)です。筆者もリリースを見て購入しようとしたのですが、アクセス過多のためホームページにアクセスできない状況が続いています。
4月13日には、若鶴酒造から「砺波野スピリット77」が発売されました。醸造アルコールとグリセリンが原材料で、アルコール度数は77%。容量は300mlで、希望小売価格は880円(税抜)です。製造量は週に約1000本で、北陸を中心とした医療機関等や若鶴酒造直営店、ドラッグストアに優先的に供給されています。
通達には、「エタノール濃度が70~83%の範囲であることと」記載されています。厚生労働大臣が定めた医薬品の規格基準書である日本薬局方によると、消毒用エタノールのアルコール度数は体積比で76.9~81.4%と定められています。つまり、上記の2製品は、手指消毒用エタノールとして利用できるのです。
素晴らしい試みだと思います。厚生労働省も、なかなかこういうことを認めないイメージだったのですが、今回は動きが迅速で拍手を送りたいところです。消毒用アルコールを作るには製造許可を得る必要がありますが、酒造免許を持っているところがお酒を造るなら問題はありません。ただし、建前は飲料用なので、酒税はかかってきます。価格がやや割高になるのはしかたがないでしょう。
では、自宅のお酒で自作してみるのはどうでしょうか? 試しに、筆者が家で飲んでいる「ドーバー スピリッツ ウォッカ 88」を消毒に使ってみました。アルコール度数が88度と高いのが特徴ですが、日本酒のようなフレーバーが美味しいウォッカです。
指示されている83%より高濃度なので、「より効く!」というわけではありません。消毒のためには、瞬間的に蒸発してしまうのもNGなのです。そこで、エタノール濃度を真ん中くらいの80度にしてみました。
120ccの容器に作る場合、109ccの「ドーバー スピリッツ ウォッカ 88」を注ぎます。そして、11ccの水道水を注ぎます。これで完成です。試しに肌に吹きかけてみると、エタノールを感じられます。筆者的にはウォッカの香りで美味しそうです。10秒ほどで蒸発したので、もう少し薄めてよいのかもしれません。残香はありません。ただ、蒸発した後、完璧にサラサラになるかというと、ごくわずかの違和感が残ります。とはいえ、ベタベタするわけではありませんし、気にならないレベルです。
もし、アルコール消毒液が手に入らないと悩んでいるなら、高アルコール度数のお酒を利用することも検討してみましょう。お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
さっそく酒造メーカーからお酒を使った消毒液が登場
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