お金

パチンコの“勝てる期待値打法”をオヤジ打ちに変えた、ギャンブル狂なりの理由

―[負け犬の遠吠え]―
ギャンブル狂で無職。なのに、借金総額は500万円以上。 それでも働きたくない。働かずに得たカネで、借金を全部返したい……。 「マニラのカジノで破滅」したnoteで有名になったTwitter上の有名人「犬」が、夢が終わった後、短かった闘いを振り返り、喫緊の金策のアイディアを綴っていく当連載。 最終回を見届けられるのが先か、借金で破滅するのが先か……すべては犬次第だ。 犬のツイッタープロフィール=====

最初は負け犬も期待値を追っていた

 類は友を呼ぶ、なんて言うが、友が類になるパターンの方が圧倒的に多く、僕の周りは気づくとウダツの上がらない貧乏人だらけになっていた。オンラインサロンなんかで「高め合う関係」なんて触れ込みで人を集めているのを見て辟易するタイプだったが、その言葉自体は間違っていないのかもしれない。  集団にいれば嫌でも色はつく。  誰が最初に始めたか、誰からともなく流行り始めたパチスロはいつの間にかみんなの食い扶持になり、趣味になり、募金箱になっていった。  パチスロを始めた頃は稼げると思ってやっていたし、当時教えてもらったやり方で実際に利益が上がる理屈も頭でわかっていた。ことパチスロで言えば「期待値」「機械割」と言うものが存在し、計算に基づいた一回あたりの見込み利益がプラスになる場合に打つことによって、最終的には手元に巨万の富が残ると言う。  パチスロ雑誌やブログを漁ればいくらでも出てくる情報だったが、当時の僕は上京したての19歳。新宿と渋谷の区別も、2chとニコニコ動画の区別もつかない純粋無垢な剥きたて卵だったので、インターネットを介して出会った大学生にわざわざ情報をまとめてもらったメモデータをもらってパチンコ屋に向かっていた。  今、このおじいさんが辞めたこの台はあと少しで当たるから期待値2,000円、青年が打っているあの台は設定6の示唆が出ていたから機械割が117%……パチンコ屋は数字でできていた。いたって冷静だ。  僕は友達と資金を共有して打つことが多かった。コインを4回だけ投げて全部表になることはあるかもしれないが、1,000回も投げれば表が出る回数はより500回に近づくだろう。これを「収束」と言う。確率を扱う時、たくさん実験すればするほど計算通りの値に近づいていく。コインの例で言えば50%だ。友達と資金を共有することで確率の収束を促し、より確実に勝とうとしていた。「乗り打ち」の誕生だ。  パチスロで金を増やす時は大きく勝ったり小さく負けたりしながら、台選びを徹底して打ち続けなければならなかった。20分歩き回って見つけた台を30分ほど打つ。終わればまた違う台を探す。極めて機械的だ。徹底されたパチプロにとってパチンコ屋は、待ち合わせをした夜の歌舞伎町と変わらない。自分を怪しく照らすネオンの中を、客引きの甘い言葉やホワイトボードを持つ女の子には目もくれずに目的の店が見つかるまで歩いて探す。  僕がなぜギャンブルで負け続け、多額の借金を抱えているか。 「どうしたら勝てるんだろう?」  と無知蒙昧なままに7年間も頭を傾げ続けていたのではない。 「ギャンブルを続ければ勝てないってわからないのか?」  と、当然の正論を投げてくれる人もいるが、ギャンブルの仕組みを全く知らないままでいられるほど、この時代の情報の網の目は粗くない。  ではなぜか。
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