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コロナで中高年がリストラ対象に…テレワークに不要な年配管理職たち

「何が不要不急か」問われた外出自粛期間。同時に在宅勤務やテレワークで浮き彫りになったのは、「不要不急な50代会社員」の存在だ。アフターコロナで加速する早期退職&リストラの嵐で、真っ先にターゲットになってしまう彼らの実像に迫った!

アフターコロナに訪れる「新・働き方改革」と早期退職&リストラのターゲットとは?

[不要不急な50代]会社員

イラスト/カツオ

 きっかけは新型コロナウイルスの感染予防策とはいえ、多くの企業が導入したリモートワーク。新しい働き方を示すと同時に、50代を中心に生産性の低い不要な社員の存在を浮き彫りにしてしまった。 「実は、以前から企業の早期退職は進められており、トヨタ自動車の豊田章男社長も『終身雇用はもう無理』と発言しています。そうした状況下でコロナショックが起きてしまい、早期退職やリストラが一気に加速化。リーマン・ショック以上の大きな嵐が吹き荒れることになりそうです」  そう警鐘を鳴らすのは、組織人事コンサルタントの曽和利光氏。東京商工リサーチの調べによると、今年1~3月に早期・希望退職者を募集した上場企業は23社。前年同期比のほぼ倍で、今後のさらなる悪化は避けられそうにない。
[不要不急な50代]会社員

曽和利光氏

 早期退職のターゲットとなるのは、就職氷河期前入社の中高年社員。特に、もっとも数の多いバブル世代の50代が対象となる。これについて経済評論家の加谷珪一氏は、次のように説明する。 「今の日本の労働人口は、中高年社員が多い逆ピラミッド型。しかも、50代のバブル世代となると高年収の名ばかり管理職で具体的な仕事を持っていない人が少なくありません。コロナショックは長引くと予測する企業も多く、経営幹部も決断を急いでいる。早ければ今年の夏~秋に大規模な早期退職を発表する企業が次々と出てくるはずです」
[不要不急な50代]会社員

加谷珪一氏

 それもほぼ全業種の企業で早期退職が行われる可能性があるとか。コロナ前から多くの日本企業は「雇用保蔵者」と呼ばれる事実上の余剰人員を抱えていた。それがコロナで生産力が極端に下がったことで、仕事すら与えることのできない「雇用保蔵者」が激増。その大半が50代社員というわけだ。
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リモートワークに不要な年配社員たち
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