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コロナで寺社の4割は消滅する。法要・拝観中止で収入激減

神道は元来、お祭り! 楽しくケガレを祓おう

 伝統宗教や新宗教が生き残る道を模索する中、成功例かもしれない一つのケースが、世界に325の支部、8万8000人の会員を擁する神道系の宗教団体・ワールドメイト(以下、WM)だ。深見東州教祖が語る。 「感染対策を徹底して、コロナ禍でも通常どおり活動していた。クリニックや薬局も持っているので、専門的医学知識で対策を講じたのです」  実業家の顔を持つ深見氏だから可能なのだろう。ユーモラスな広告で知られる予備校・みすず学苑を首都圏で10校展開し、高級腕時計の輸入と直販売は年商75億円で業界2位。ミスズの年商は105億円、グループ全体では約300億円を超える。教団の強固な経営基盤が窺えそうだ。 「ビジネスに宗教は持ち込んでいないし、だいたい、そんなビジネスじゃ相手にされませんよ(苦笑)。ただ、私が宗教家であり、経済人であることに何の矛盾もない。本物の宗教とは、今を反映する時代性と、時代を超える普遍性を併せ持つ。国民の8割がサラリーマンやOLなのだから、私も社会に身を置き、会社経営を続けている。そうでなければ、現代に働く人々の悩みに答えられない。そもそも神道は、生業と家とコミュニティの繁栄を目指すものです」  WMの特徴は、ギャグ爆発の歌って踊れる教祖に象徴される。 「コロナ禍で始めた『全国1万人オンライン飲み会決起大会』は、11回を数える。神道はお祭り。全員が決められたテーマのコスプレで、派手に楽しくケガレを祓い、ハレの状態を取り戻しています(笑)」  寺社の4割が消滅危機に瀕する現状を、異能の教祖はどう見るのか。 「疫病が流行った奈良時代、大仏が建立され、日本は鎮護国家となり仏教が栄えた。その後、神仏習合で神道と融合した。時代、時代の宗祖のあり方に戻り、今の時代に生かせば栄えるはずです」  教祖さま……マジメか! 【島田裕巳氏】 宗教学者。作家。東京女子大学非常勤講師。30万部のベストセラー『葬式は、要らない』(幻冬舎新書)ほか、著書多数 【鵜飼秀徳氏】 報知新聞社などを経てジャーナリストに。浄土宗正覚寺副住職。全国の寺院を精力的に取材。『寺院消滅』(日経BP)ほか、著書多数 【宗教団体ワールドメイト・深見東州教祖】 ’84年、前身のコスモコア設立。’12年、宗教法人格を獲得。英王室や各国首脳、3大テノールのプラシド・ドミンゴやナオミ・キャンベルまで、華麗な人脈を誇る <取材・文/齊藤武宏 写真/朝日新聞社> ※週刊SPA!6月23日発売号より
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週刊SPA!6/30号(6/23発売)

表紙の人/ 飯豊まりえ

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