普通のバイトだと思ってたのに…偽チャットの打ち子になった女性の証言
イラストレーターの三沢優美さん(仮名・35歳)は、コロナの影響で副業だったコールセンターの仕事を雇い止めになった。
「生活が苦しくなったので、知人から『打ち子』というバイトを紹介されました。てっきりデータ入力かなんかの仕事と思って事務所に出かけたら、そこは売春組織の本部でした」
三沢さんが言う売春組織とは? そのリアルを、生々しく語ってくれた。
「事務所の住所を教えてもらえなかったわけですよ」と当時を振り返る三沢さん。駅まで迎えに来た30代の男性に連れていかれたのは、駅から10分ぐらいの住宅地の中にある奥まった一軒家だった。
「玄関に入ると、お香の匂いが漂っていました。2階に案内されると10畳ぐらいのリビングの中央に長いテーブルがあって、映像会社の社長と名乗る30代半ばの男性が犬を抱いて座っていました」
仕事開始までの間に、スタッフから事業内容を聞いたという三沢さん。それは、想像とはかけ離れたものだった。
「チャットレディというバーチャル風俗の配信をやっているとか。金髪の若い女性が、事務所の1室に寝泊まりをしていると言っていました」
スタッフの説明を要約すると、社長は都内にあるホストクラブの元ナンバーワン。ファイナンシャルプランナーの資格を取得して情報教材で儲けた。その後映像系の会社を興して、セミナーの配信と芸能関係の仕事、さらにチャットレディで億単位の年収を稼いでいるという。
「打ち子の仕事内容を聞いて、さらに驚きました。HメールやWメールに他人の身分証明書を使って登録、返信してきた男性に売春をもちかけ、成立するまでメールでやりとりをするのです」
実際に売春をする女性は複数人。生活苦をツイッターでつぶやいている女性を社長がピックアップして言葉巧みにスカウトするんだとか。
「社長から20代の若い女性の運転免許書を差し出されて、撮影するように指示されました」
つまり偽造だ。十数枚の運転免許書から選んで渡されたときに、三沢さんは、帰ろうかどうか迷ったという。
「それでも、生活が苦しかったので命じられるまま、若い女性を装って登録しました。そして社長から次のような呼びかけの文章を打つように指示されました」
『Bが97あるのでぽっちゃりしてるようにみられます…友達から癒し系っていわれることが多いです…外見気にしないで会っていただけるなら、よろしくお願いします。写メは職場にバレちゃうと怖いので…><早めに返事をいただける方でお願いします。』
そして返信があった複数の男性には、さらにメールを打つ。「会おう!条件はなに?」などと返してきた男性には、具体的な値段も提示するという。
「もちろん、罪悪感はありました。もうやめようかと思いましたよ。でも、帰らせてもらえませんでした」
その後、この男性と交渉が成立したという。
打ち子=売春を持ちかける仕事だった
男性に送るメールの文面とは?

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