ライフ

日産GT-Rの開発者が「お客さまのためにつくった車」とは

いつも他人が教えてくれる

 この時の彼の心情は「発見」です。自動車エンジニアである彼が、「クルマはエンジニアリングでもカタログスペックでもなく、お客さまの道具だ」と気づく。クルマがお客の道具なのは当たり前ですが、こうした当たり前に気づけると、自分の価値観が一変して、それまでと全く異なる思考と行動ができるようになります。  このように私たちは複雑で特別なことではなく、シンプルで当たり前のことに気づいていないからこそ、頭を悩ませます。そして、その当たり前に気づかせてくれるのは他人です。  彼はこの時のことについて、「その人の言葉はあまりにも衝撃的でした」と振り返っています。相手の言葉が衝撃的だったのは、自分の当たり前が打ち破られたからです。このようにすっかり打ちのめされるくらいに誰かに心を揺さぶられなければ、当たり前に対する発見は起こらず、人間の思考と行動は変わりません。 「クルマはお客さまのためのもの」ということを、自分のお客から教わった彼の体験は、「人物の影響」が仕事の原動力になることを物語っています。「クルマはお客さまの道具だ」という当たり前に衝撃を受けた彼を笑うことはできません。仕事をしていれば、会社や自分の都合で、お客を軽んじた経験が誰にでもあるはずです。  しかし、そうした態度ではいずれお客は離れていきます。もしあなたが仕事で悩んでいるのなら、その仕事の相手であるお客の言葉や行動について振り返ってみてください。印象に残った出来事を思い出すことができれば、自分がこれから取るべき行動がわかるようになるでしょう。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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