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チャンネル登録者数140万人超! 音楽系YouTuber「鈴木ゆゆうた」の知られざる半生に迫る

 下ネタを連呼するだけの即興曲を披露したかと思えば、24時間連続でピアノを弾き続けるという“偉業”も軽々とやってのける。さらに、ネットに住所が晒されたのを逆手に取り、自ら個人情報を歌にのせて開示するなど、とにかく話題に事欠かない音楽系ユーチューバー、鈴木ゆゆうた。 鈴木ゆゆうた 無軌道ともいえる行動力とアイデアは「才能の無駄遣い」「存在がフリー素材」と世間をざわつかせ、’18年5月のチャンネル開設から早くも登録者数140万人を突破した。その狂おしいまでの表現欲求の源泉はどこにあるのか?

死ぬまで目立ち続けたい

――ゆゆうたさんは、他の人が避けて通るようなことを躊躇なくやってのける点がすごいです。 ゆゆうた:まあ、みんなに注目されて、ちやほやされたいだけです(笑)。でも、もっとピアノがうまい人は他にたくさんいる。だから裸になって弾いてみたり、おむつをはいて24時間連続で演奏してみたり、自分にしかできないことを追求しています。特にこれをやりたいという目標もないんですよね。現在進行形で生きているので、明日になったらまた考えが変わるかもしれない。だから、思い立ったらすぐ行動に移しています。 ――ふざけているようで、やはり原点にはピアノの技術がありますね。 ゆゆうた:仕事や趣味も何一つ続いたことがないなかで、唯一続いているものがピアノなんです。5歳のとき、テレビでフジコ・ヘミングさんがショパンの「英雄ポロネーゼ」を演奏している姿にくぎづけになったのがきっかけで、母親の友人のピアノの先生に18歳まで習っていました。  今でも毎日弾き続けています。子供の頃はずっとクラシックにハマっていたので、流行りのアーティストがまったくわからず、「ミスチル」を知ったのも大学生になってからなんです。今はゲームもアニメも大好きですが、小学生のときは家の決まりで、ゲームは3日に1回30分だけ。アニメは週に4番組までしか見せてもらえず、しかも『ドラゴンボール』は暴力的なシーンが多いからと禁止されていました。普通のサラリーマン家庭でしたが、割と厳しくて。今こうして好き勝手やっているのは、その反動かもしれません。

学生時代はトイレで昼飯を食っていました

――そこから「ゆゆうた」が誕生するまでに何があったのですか? ゆゆうた:学生時代はずっと“陰キャ”でした。対人恐怖症まではいきませんが、とにかく人付き合いが苦手で、学校ではトイレで昼ご飯を食べ、休み時間が終わるのを息を殺して待っていました。でも内心では目立ちたい願望があって、ある日クラスのヒーローになるとか、異世界で大活躍する妄想ばかりしていました。  家に帰ってもピアノ以外にやることはなかったのですが、高2のときに「DJ MAX」というリズム系のネトゲにハマったんです。のめり込むうちにランキング1位になっていて、リアルでは便所虫なのにゲーム内では畏怖されることがあまりにも心地よくて、自己顕示欲が芽生えました(笑)。そのときのハンドルネームが「ゆゆうた」だったんです。すでに「ゆうた」という名前が使われていたので。それが始まりでした。 ――その後、ニコニコ生放送で注目され、現在はユーチューブで配信しています。きっかけはなんですか? ゆゆうた:ハマっていたネトゲが大学生のときに終了してしまい、熱くなれる代替案を探していたんです。’07年頃でしたが、当時ニコニコではアニソンなどの「弾いてみた」系が流行っていたので、試しにDTM(デスクトップミュージック)でアレンジした曲を投稿したら、意外と視聴されたんです。そのときは5、6本投稿しただけでやめてしまったのですが、社会人になって深夜まで残業する日々に疲れ果てて、’15年頃から現実逃避するために休日に再び投稿するようになりました。 ※9/15発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです 【ゆゆうた】 ’88年7月2日生まれ。神奈川県川崎市出身。本名は鈴木悠太。ニコニコ生放送で即興のピアノ演奏が注目され、’18年5月ユーチューブにチャンネルを開設、フォロワー140万人を超える。’20年9月、白内障を患っていることを告白したが、活動継続を表明 取材・文/中野龍 安英玉(本誌) 撮影/酒井よし彦
週刊SPA!9/22・29合併号(9/15発売)

表紙の人/ 日向坂46

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