更新日:2021年01月08日 10:04
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「経済を回そうとするほど経済が止まる」緊急事態宣言の再発令でみえた真実

緊急事態宣言を出してもダラダラいきそう

 では、今後の日本はどうなるのか? 「これまで日本のコロナ対策は、コロナを蔓延させ、財政のバラマキをして将来負担を増加させたのに、経済は回っていない。悪手ばかりをやってきました。感染拡大を放置したまま経済を回すのではなく、日本には美味しい食も素晴らしい観光地もたくさんあるのだから、早くコロナを抑え、日本国内で経済を回せばいいんです。  今回、緊急事態宣言が発出され、いまさら宣言を出したところで誰も自粛しないのではという疑問の声もありますが、そうはいっても日本人は自粛する人が多いのも事実。実際、JR6社の年末年始の利用は68%減だったそうです。自粛しない人もいますが、自ら帰省を自粛していた人がこれだけ多くいたということです。  ただ、少し感染者数が減ってくれば『そろそろ自粛に飽きてきたなあ』と自粛をやめてしまう。結果、4-5月のときのように新型コロナを国内で撲滅させるのは難しいのではないでしょうか。恐らく、そこそこ感染拡大を抑えて、6割程度のそこそこの経済活動をして……と、ワクチンができるまでダラダラ行くことになるでしょう。  また、ワクチンができても様子見をする人は多そうです。ここでもダラダラ時間がかかります。なんとも日本的ですが、そうやって日本は『自由』だけは守られるのでしょう」(藤沢氏) 「自分は大丈夫」「自分が感染しないように気をつければいい」という身勝手な考えの人が増えれば、それだけ感染者も増え、感染が拡大してしまう。誰も経済は止まっていいなんて考えていないのに、経済を回そうとすればするほど、経済は止まってしまう事実に目を向けてもいいのではないだろうか。「急がば回れ」の格言のように、経済を回したいなら、コロナの封じ込めが先だということのようだ。 藤沢数希 作家。ブログ「金融日記」管理人、メルマガ「週刊金融日記」を配信。物理学研究者、外資系証券会社クオンツ・トレーダー職を経て、作家・投資家。香港在住。著書に『なぜ投資のプロはサルに負けるのか』『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』『反原発の不都合な真実』『外資系金融の終わり』『損する結婚 儲かる離婚』『ぼくは愛を証明しようと思う。』 ツイッター(@kazu_fujisawa)は18万フォロワーを超える。 <取材・文/横山 薫(SPA!編集部)>
物理学研究者、投資銀行クオンツ・トレーダー職等を経て、作家・投資家。香港在住。著書に『外資系金融の終わり』『僕は愛を証明しようと思う』『コスパで考える学歴攻略法』などがある
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