ワクチン接種の副反応は、日本でも必ず出る

Sipa USA/時事通信フォト
米国ミシガン州スパロー病院に到着したファイザーとビオンテックが共同開発した新型コロナのワクチン。撮影日は2020年12月17日
ついに日本でも新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が始まる。ウイルスとの長かった闘いにも終止符が打たれる……と願いたいが、開発に10年以上かかるのも珍しくないワクチンが1年という異例の短期間で完成。
それもインフルエンザのワクチンなどで使われてきた不活化ワクチンではなく、ウイルスの遺伝子情報を体に打ち込み免疫反応を呼び起こす、まったく新しい技術が使われている。
12月11日、米食品医薬品局(FDA)がファイザー社ワクチンの緊急使用を許可した理由は、「利益が潜在的リスクを上回る」だった。未知のウイルスに打ち勝つためとはいえ、ヒトへの実績のない、ワクチンのリスクもまた未知である。
<ワクチン接種時期の見通し>
’21年1月 通常国会(第3次補正予算案)
2月 ワクチン接種開始。対象はコロナ対応の医療従事者(約1万人)
3月 その他の医療従事者を対象(300万人)、高齢者(3000万~4000万人)
4月 重症化リスクの高い人から優先的に接種
医師で、医療社会学の研究者でもある立命館大教授・美馬達哉氏は副反応について、こう語る。
「一般的にワクチンには、脳症、ギラン・バレー症候群など、さまざまな副反応があります。すでにファイザー社のワクチン接種が始まっている米国では、重いアレルギー反応であるアナフィラキシー症状が報告されている。アナフィラキシーは接種後、すぐにわかる副反応ですが、時間が経過しないとわからない副反応もあり、先行してワクチンを接種した人の抗体ができる2月、3月ごろには、新しい副反応が出てくるかもしれません。
またデング熱ワクチンのように、デング熱にかかってない人がワクチンを接種し、デング熱にかかると、かえって症状が重くなる事例もある。新型コロナワクチンの副反応も、しばらく様子を見なければわかりません」