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昼酒が楽しい小さな台湾料理店――ツレヅレハナコの旨いもの閻魔帳

妹さんと共に作り上げる味

瑞鳳

ひとりのときは麺までは辿り着けないけど、友だちと一緒のときは〆にオーダーする芝麻醤麺¥650。最初に見たとき、具が香菜だけというあまりのシンプルさに痺れた。散々飲んで食べた後だから、精進の麺がありがたい。台湾では「麻醤麺」と言うそうで、麺を食べ終わったら、ここにスープを注いで飲むのが本来の食べ方だそう

 そもそも私が勝手に“お母さん”と呼んでいる徐瑞鳳さんが、1984年に店を開いたのは荻窪の北口だったそう。南口仲通店は、その5年後、1989年に妹の徐瑞真さんが夫と共にオープン。一時期、荻窪には2店の瑞鳳があった。それが4年前、建物の老朽化で北口の店を閉じることになり、お母さんが昼間だけ南口仲通店を間借りしているのだとか。「妹夫婦は夕方5時から。昼と夜のメニューは基本的には同じだけど、シジミの正油漬けと大根餅は妹、おこわと腸詰めは私が作って交換してる」とお母さん。

アットホームな雰囲気がたまらない

 それぞれの得意分野を尊重し、お互いの領域を侵すことなく姉妹仲良く助け合う。家族経営ならではのアットホームな雰囲気がいいんだな。 構成/和田紀子 撮影/キッチンミノル
食と酒と旅をこよなく愛する編集者。雑誌などのメディアやTwitter、Instagramでレシピや美味しいお店を発信中。新刊『ツレヅレハナコの2素材で私つまみ』がKADOKAWAより好評発売中。他にも『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)、『ツレヅレハナコの薬味づくしおつまみ帖』(PHP研究所)『ツレヅレハナコの南の島へ呑みに行こうよ!』(光文社)、『女ひとり、家を建てる』(河出書房新社)など著書多数。Twitter@turehana instagram@turehana1

ツレヅレハナコの旨いもの閻魔帳

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