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欧州の自粛警察は「本当の警察」だった…店も客も罰金刑

6人以上での「宅飲み」にも罰金

 また、ヨーロッパにも自粛警察のような人々は存在するものの、日本に比べると、その数や社会的盈虚は微々たるものだという。長らく日本に在住していたノルウェー在住のアンナ・エリクセンさん(35歳・仮名)はこう説明する。 「ノルウェーでは、飲食店など店内でソーシャル・ディスタンスが保たれているかなど、査察が入ります。規則を守っていない場合は営業停止などの罰則が課せられますが、日本の『自粛警察』なんて人たちが幅を効かせるようなことはありません。どれだけ保障をするかと、ルールを破った場合の罰則はセットで考えるべきで、どちらも中途半端な対応をしてあとは一般人に『リンチ』させるというのは、野蛮だと思います」  東欧のポーランドなどでも、自粛警察なる言葉は見当たらないという。現地の日系企業で働く平井雅紀さん(30歳・仮名)が、現地の状況を伝える。 「マスクを着けずに歩いていたら罰金、現在はすべてテイクアウトのみの営業ですが飲食店などをコッソリ開けたら罰金、自主隔離期間中にも家で待機しているか警察が巡回に来て確認が取れなかったら罰金……。日本の報道では『自粛警察』なんて目にしますけど、要は国や自治体がコントロールできていない、放置しているだけですよね。職場などは別ですが、こちらでは6人以上の集会も禁止されているので、大勢で宅飲みしても罰金ですよ(苦笑)」  実際に自宅に集まって飲み会を開いているところに通報を受けた警官がやって来て一網打尽に……というケースもあったという。

「闇営業」の先を行く「地下イベント」も登場

 自粛警察どころかホンモノの警察がやってくる……。日本に比べると厳然とした対応だが、その一方で「闇営業」も、欧米ではよりパワフルだ。前出の平井さんは、その実態をこう語る。 「保障なども出てはいますが、やはり潰れる店は続出しています。特に厳しいのは、ライブ演奏などをウリにしている飲食店です。フードをデリバリーしたところで、飲食がメインの飲食店には到底叶いません。そこで、一部のバンド関係者や常連客だけを集めた、招待制の『地下イベント』が行われているんです。もちろん、警察に踏み込まれたら全員罰金ですよ」  平井さん自身は招待こそされたものの、「リアル・ポリス」を恐れて辞退したそうだが、日本よりも長く・厳しく続くロックダウンに業を煮やした人々は少なくない。 「ロックダウンも春になれば段階的に解除されるでしょうけど、飲食店などが少しずつ開き始めたら、こういうイベントはますます増えるでしょうね。知り合いのみで、音量を絞ってバレないようにライブやDJイベントをやっているのは、まるで『隠れキリシタン』ですよ(苦笑)。なんとかお店を存続させたいという気持ちや、集まる人にとっては音楽が宗教並みに大事だというのもわかるんですが……。感染リスクや警察に捕まることを考えると、はたしてそんな状況で無理に集まって楽しいのかという」  世界各地で続くロックダウンや緊急事態宣言。はたして、いつになれば春は訪れるのか。そして雪が溶けた街並みには、いったいどれだけの飲食店が生き残っているのか。新型コロナウイルスだけでなく、自粛警察の動向にも注目だ。<文/林泰人>ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン
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