ザコシ、安村…「裸芸人」の元祖は誰? レジェンド裸芸人を振り返る
マッチョ芸人「ぶるうたす」がお笑い史に残した功績
このボディービルダー漫談には、現在、なかやまきんに君というフォロワー芸人が存在するし、品川庄司の庄司智春、小島よしおなどもマッチョボディーで笑いを取る。さらに「キャラ付けされたピン芸人による漫談」は、「エンタの神様」(日本テレビ系)で量産されたスタイルである。ぶるうたすは、一発屋芸人として消えていってしまったが、そのスタイルは先鋭的であり、かつ普遍的であり、今になってみると、彼がお笑い史の中で、非常に重要な役割を果たしたことがわかる。
お茶の間に愛される裸芸人・上島竜兵
肥満した醜い身体の、安村言うところのヒール系裸芸人の元祖は、言わずもがなダチョウ倶楽部の上島竜兵である。しかし身体はヒールかもしれないが、上島竜兵の存在自体は非常にベビーフェイス的であった。井手らっきょは、いわば露出狂のメタファーであり、ぶるうたすもオーディション番組内の人気者で、両者がカルト的な存在であったのに対して、上島竜兵は広くお茶の間に愛された。決めゼリフの「聞いてないよォ」は’93年の流行語大賞を受賞した。ゆるキャラ化され、一般に認知された最初の裸芸人が、上島竜兵である。裸芸人は、井手らっきょ、ぶるうたす、上島竜兵という、3人の偉人、否、裸人によって、日本のテレビ界の欠かせない存在になったのだ。 件の「裸芸人サミット」でザコシは、いちど芸人として頭打ちにならなければ裸芸人にはならない。いきなりやけっぱちの人はいないと語った。人生をサバイブしていく覚悟の表れが、「裸」という選択なのである。1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
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