ニュース

新型闇金の悪質な実態。女子大生や専業主婦が性被害にあうケースも

性とカネを引き換え…貧困女性が食いものに

新型闇金 個人間融資の闇は調べれば調べるほど深い。 「男性が女性にお金を低金利で貸す代わりに肉体関係を迫る『ひととき融資』が増えています」と語るのは、闇金事情に詳しいジャーナリストの奥窪優木氏だ。 「昔から性と引き換えにお金を融通することは闇金界隈ではよくあることでした。それが近年、闇金業者への規制が強まったことで、業者は主戦場をSNSに移した。結果、普通に生活していたら辿り着くことのなかった女子大生や専業主婦が毒牙にかかっています」  そのやり口は、卑劣極まりない。 「貸す側は最初から『無利子でもいいが、1か月後に返せなかったら肉体関係を』という約束をします。女性側も困っているので、お金に目がくらんで安易に承認してしまう。ただ、もともと借金をつくってしまうほど追いこまれているので、かなりの割合で返せない。そうしたら、『利息を上乗せする』などと脅して関係を持ちます。  さらに悪質な貸主は、自分の口座に相手が貸してほしい額のお金を入れて引き出させます。当然、ATMの監視カメラには女性が映っているので、『持ち逃げしたら警察に通報する』と脅迫するのです。一度肉体関係を持ってしまえば、今度は『写真を晒す』と脅す。こうなると女性はどうすることもできません」

性被害に遭ってしまったときの対処法とは

 そうした背景もあってか、ひととき融資の普及率に比べると逮捕者は極端に少ないという。 「’19年6月に逮捕された人物は、法外な金利を設定していたことが罪に問われ、買春はあとからわかった。それほど被害女性は口外しないようなのです。弁護士によっても意見が分かれますが、私が取材した限りお互いが合意していれば罪には問われないという考え方もあるようです。最近は、パパ活サイトでやってる人も多いみたいなので、被害に遭ったら必ず声を上げることですね」  前出の嵩原氏も、実際に女性の相談に当たったというが……。 「融資の担保として裸の写真を送れと言われたという相談だったのですが、驚くことに、『この貸主は誠実な人なのに、私が無理を言ったせいでこんなことを言わせてしまった』と思い込んでいた。これは“正常性バイアス”といって、自分では間違ったことをしている認識があるのに、自分の行動を正当化したいという心理が働いていたのです。もはや洗脳に近い」  では、実際に被害に遭ってしまったらどう対処すればよいのか。 「とにかく消費者センターや法テラスで相談することです。違法な金利は無効なので、十分返済しているケースがほとんど。報復が怖いという人もいますが、過度な追及は絶対にありません。相談には必ずやりとりのスクショと返済記録を持って行ってください。見たくないという心理からか、振り込んだ明細を捨てる人も多いので」  SNSに潜む闇金業者は、困窮者の隙を熟知している。こちらも知識で武装するよりほかない。
次のページ
Twitterで顔写真&免許証が……渡した個人情報の末路
1
2
3
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート