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新型闇金の悪質な実態。女子大生や専業主婦が性被害にあうケースも

Twitterで顔写真&免許証が……渡した個人情報の末路

新型闇金 名前や住所、生年月日に顔写真――本来映っていてはいけないはずの個人情報が、SNS上で公然と晒されている。これは一体何が起こっているのか。前出の嵩原氏は言う。 「これは『晒し』と呼ばれる見せしめ行為です。正直なところ、今すぐにでも5万円欲しい人が、翌月に6万円が返せるとは到底思えません。基本的にやりとりはSNS上でしか行わないため、ジャンプ(支払いをせず飛ぶこと)する債務者は非常に多いはずです。  貸主は飛ばれることだけは避けたいので、晒された本人に対してもそうですが、他の債務者への脅しという側面もあって、こうした非人道的な行為をしていると考えられます。さらに、返済を促すだけでなく、こうして脅かしておくことで返済以外の要求ものませやすくしているのでしょう」

一瞬の過ちがまねく、性被害のスパイラル

 このような圧力に屈して闇金業者のなすがままにされてしまうーーそんな心理状態に陥るのは、想像に難くない。本文でも触れたとおり、それは肉体関係の強要という形をとる場合もある。  取材を通して知り合った20代前半の女性は、週刊SPA!記者に力なくこう語った。 「バイトの出勤を減らされてお金に困り、つい魔が差しました。携帯が止まり、家賃の滞納が続くと視野がどんどん狭くなって……身分証を渡すのがどれくらい危ないかなんてわからなくなるんです。女性と伝えるとすぐにお金が手に入りました。でも、すぐに尽きて返せなくなると、わいせつな写真の要求から始まり、気に入られれば会って体の関係を持たされる。周りに相談もできない。こんなことになるなんて思ってもいませんでした……」  一瞬の過ちで生活はほころび、一生消えないデータがネットに残る恐怖。この構造の闇はあまりに深い。
嵩原安三郎

嵩原安三郎氏

【弁護士・嵩原安三郎氏】 ’70年生まれ。京都大学卒。フォーゲル綜合法律事務所代表。退職代行などを数多く手がける。 【ジャーナリスト・奥窪優木氏】 ’80年生まれ。上智大学経済学部卒。週刊誌や月刊誌などへの寄稿を中心に活動。近著に『ルポ 新型コロナ詐欺』(扶桑社刊) <取材・文/片波 誠 桜井カズキ 仲田舞衣 図版/ミューズグラフィック>
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