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「賞を獲らないと数字が獲れない」唐揚げ戦国時代の最新トレンド

 コロナ禍でフードデリバリーやテイクアウトの需要が高まる中、最近よく目につくのが唐揚げ専門店
唐揚げ弁当

テレワーク中の昼ごはんに唐揚げ弁当を食べた人も多いはずだ

 商品に「日本唐揚協会」主催の“からあげグランプリ金賞”という文字を見たことがある人もいるのではないのだろうか。
からあげグランプリ

からあげグランプリのロゴ(写真提供/日本唐揚協会、以下同)

 美味しいと認定された店などに掲げられている「金賞」とは、既存の唐揚げとどのように違うのか。唐揚げ業界のトレンドについて、日本唐揚協会の専務理事を務める八木宏一郎氏に話を伺った。

金賞を受賞すると、売上が2倍に!

 
第12回からあげグランプリ

4月19日に行われた第12回からあげグランプリ(R)授賞式の様子

 そもそも『からあげグランプリ』とはどのようにして始まったのだろうか。 「『からあげグランプリ』は、日本で一番うまい唐揚げ店を決定するという趣旨の元、12年前から始まりました。現在は唐揚げ店舗部門と、スーパー総菜部門と2つの部門に分かれています。スーパー総菜部門は2019年から始まって、今年は3回目でした」  いったい、どのような基準でノミネートされる店舗は決められているのだろうか。 「唐揚げ店舗部門は、ネット投票なので唐揚げファンの方の投票で決まっています。最も高得点の店が最高金賞になっています。今年は、投票の総数が22万8388票で、投票からエントリーを経て、ノミネートされたのが175店舗、受賞が86店舗になっています。スーパー総菜部門は、全国のスーパーの中から132社エントリーし、書類選考を通過した各エリアのスーパーが試食審査会に進出できます。今回は、35社が金賞や最高金賞を受賞しました」  スーパーの総菜部門は、試食審査会があるため店舗も趣向を凝らしている。 「試食審査会では、審査員が実食審査で点数を付けます。審査員はだいたい10人ほどで、今年の審査員は、料理芸人のクック井上。さんや、日本コナモン協会会長、日本食鳥協会の会長、唐揚専門店の最高金賞を受賞した有名店の方が試食しています」

賞を獲らないと数字が獲れない

「まずは、書類選考でエントリーからノミネートに上がります。東日本の場合は、35社がエントリーし、24社がノミネートに残りました。そこから11社が受賞に選ばれています。金賞に受賞すると、130パーセントに売り上げが増えるそうです。瞬間では2倍になるところも。そのため、“賞を獲りたい”というレベルじゃないんです。“獲らないと数字が獲れない”という思いから、みなさん工夫して参加しているんです。とても大事な大会という位置づけですね」
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唐揚げ専門店レベルに達したスーパーの総菜
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