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政府の有識者会議における国体護持派の優勢は、菅内閣の意思だ/倉山満

最優先は悠仁親王殿下が無事即位すること

 もう一人の注目の論者が、今谷明国際日本文化研究センター名誉教授である。今谷先生は、皇位継承の議論の第一人者と言って良い。政府に提出した資料を読んでも、かなり高度で専門的な議論なので普通の人にはわからないだろうが、皇室史の重要な先例を簡潔にまとめている。  その上で、女系天皇に関しては、「悠仁様の即位後、皇子が出生なく御晩年に至るような事態になって初めて、決定する必要が生ずる。それ以前は国民の議論を喚起し、行方を見守るべきだ」と否定的である。なぜかマスコミは賛成でも反対でもないと報じたが、どういうことか。  旧皇族の皇籍復帰には、「悠仁様即位後の事態如何であるが、現在から準備の必要はある。国民的議論も要する。例えば、旧伏見宮家系の男子で、皇族復帰の意志のある方等、確認して皇族待遇へ導入する可否等。」と積極賛成だ。こちらへの答えと合わせると、女系など論外である。  要するに、すべてに優先させるべきは、悠仁親王殿下の無事即位、そして男の子が生まれ皇位を継承していくことだ。この時点で、今を生きている我々の世代は、国体を護持したこととなる。

悠仁殿下にはお支えになる皇族が必要だ

 ただし、悠仁殿下は、たったお一人で2681年の歴史を背負っておられる。お支えになる皇族が必要であるし、本来ならば皇族であるはずなのにGHQによって身分を奪われた方々がいる。  特に、東久邇宮家の方々は、明治天皇とも昭和天皇とも女系では近い子孫である。男系では神武天皇につながる「もう一つの皇室」だ。現在は民間人として暮らしておられる方々に親王宣下し、そのお子様たちの世代に悠仁殿下の御代を支えていただくことが肝要だ。  菅内閣が旧皇族の皇籍復帰を実現すれば、歴史に残る宰相だ。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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