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牛丼チェーン・松屋が「マイナーな欧州郷土料理」を次々と発売するワケ

東京五輪がきっかけのひとつだった「松屋世界紀行」

チキンと茄子のグリーンカレー

チキンと茄子のグリーンカレー

北欧風シチューハンバーグ定食

北欧風シチューハンバーグ定食

 松屋では2016年5月に発売した“チキンと茄子のグリーンカレー”を皮切りに、“北欧風シチューハンバーグ定食”(2017年11月発売)や“チーズタッカルビ定食”(2018年1月発売)など、海外料理をメニューに取り入れてきた。そして、2020年1月に“松屋世界紀行”シリーズとして“シュクメルリ鍋定食”が誕生。同年3月にはイタリア料理の“カチャトーラ”、2021年2月にはタイ料理の“マッサマンカレー”が登場し、いずれも話題になった。
チーズタッカルビ定食

チーズタッカルビ定食

マッサマンカレー

マッサマンカレー

「“松屋世界紀行”シリーズを考えたのは、2020年に開催される予定だった東京オリンピックの存在が大きかったです。残念ながら延期になってしまいましたが、大会が開催されていれば、世界中からいろいろな国籍の方が来日してくれたでしょう。世界のおいしい料理を、松屋を通してお客さまに届けられないかということで、世界に目を向けた新メニューをシリーズ化して販売することになりました」

なぜ松屋は日本人に馴染みのない料理を選んだのか?

カチャトーラ定食

シュクメルリ同様、鶏肉とチーズ、ニンニクの旨さがご飯とよく合うカチャトーラ

 シュクメルリやカチャトーラなど、日本人にあまり馴染みのない料理が選ばれたのにも、もちろん松屋ならではの理由がある。 「提供する料理はあまり知られていない、でも、おいしいものを選ぼうと考えていましたが、何でもいいというわけではありません。弊社は牛肉や豚肉、鶏肉、にんにく、チーズ、オリジナルソースを使った料理を得意としています。これらのキーワードで検索して、ヒットした海外料理の中から、松屋流にアレンジできるんじゃないかというものを選びました」  鶏肉とにんにくを使ったシュクメルリは、まさにうってつけの料理だったというわけだ。 「ただ、私たちもどんな料理かまったく想像できなかったので、まずはネットで調べたレシピ通りに、味を再現してみるところから始めました。本番の味も十分おいしかったのですが、よりご飯が進むようにクリームシチュー風にアレンジしてチーズをトッピングしています。また、さつまいもを加えることで、彩りと味の変化を楽しめるようにしました」
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クックパッドでレシピを公開したワケ
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