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「馬の目利きは“夢”と堅実さが重要」一口馬主界の風雲児、DMMバヌーシーが求める新馬

バヌーシー

DMMドリームクラブ株式会社代表代行/ゼネラルマネージャーの椎名竜大氏(写真左)と取締役兼株式会社DMM.com証券リスク管理部長の青木正男氏(写真右)

 日常に何気なく溶け込んでいる商品やサービスの裏には、知られざる逸話や並々ならぬ努力が隠されていた……。そんな“実はスゴい”エピソードを持つ企業を紹介する連載企画第6回目は、一口馬主サービス「DMMバヌーシー」の運営メンバーに焦点を当てる。前編では立ち上げからダービーへの2頭出走など、運営について話を聞いた。  今回はその後編としてDMMドリームクラブ株式会社代表代行/ゼネラルマネージャー椎名竜大氏とDMMドリームクラブ株式会社取締役兼株式会社DMM.com証券リスク管理部長の青木正男氏に運営メンバーについて話をきいた。業界外出身者ばかりの個性的な運営陣は、それぞれの持ち味を生かして馬とクラブ会員のために奮闘しているようだ。

競馬未経験メンバーが金融商品取引の要に

 前編でも言及した通り、DMMバヌーシーは愛馬会法人であるDMM.com証券の口座を介して、クラブ法人であるDMMドリームクラブの競走馬に出資するかたちで成り立っている。こうしたサービス開始にあたり、JRAに対しては馬主の法人資格を、金融庁に対しては金融商品取引業者として登録する必要があった。  DMMドリームクラブ株式会社取締役兼株式会社DMM.com証券リスク管理部長の青木正男氏が経緯を語る。 「他の一口馬主クラブと違って我々は超小口の1万口でスタートした(現在は2000口に変更)ので、そうすると、配当以上に振込手数料がかかってしょうがない。そこで、証券口座を開設するかたちで対応しました。  このサービスを成立させるには、愛馬会法人とクラブ法人の両方が第二種金融商品取引業として登録しなければなりませんが、もともとDMM.com証券は株式を取り扱う一種業の登録をしており管理体制も整っていたので、二種を取得する際もスムーズでしたね」  愛馬会のDMM.com証券は、もともとは馬とは無縁の会社だったが、事業を進めるうちに馬にハマった人が多数いるそう。青木氏もそのひとりだ。 「仕事で覚えて競馬を見ているうちに興味が湧いて、自分でも一口馬主に出資するようになりました。レースを見ていると馬券の方もついつい……。もちろん、馬を見ているだけでもかわいいですけどね(笑)」

元スポーツ新聞記者の椎名氏は高校時代に自作の競馬新聞を作り……

 DMMドリームクラブには、スポーツ新聞記者から転身したゼネラルマネージャー椎名氏をはじめ、馬術経験者や、牧場で働いていた者など、馬と所縁のあるメンバーが多い。なかでも椎名氏はゴリゴリのウマキチと言っていいだろう。彼が競馬に初めて触れたのは、小学3年生の頃だった。 「シンボリルドルフが走っている頃、ませた友だちが競馬の話をしているのを聞いて、意識をするようになりました。本格的に競馬を見始めたのは、中学1年生のとき、たまたまテレビで流れていた競馬中継がきっかけです。  イナリワンが勝った有馬記念で、スーパークリークとの叩き合いが妙に印象に残りました。そこから父の買ってきたスポーツ新聞の競馬面を穴が開くほど読み込み、高校生になってからは、競馬新聞を自作して友だちに見せて回ってましたね。  競馬の予想がしたくてスポーツ新聞社に入って、運良く競馬担当になり18年間続けましたが、取材や予想をするのとは違うかたちで競馬にかかわりたいなという気持ちが出てきました。そんな折、縁あってDMMドリームクラブに移籍したんです」(椎名氏)
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