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渋沢栄一に学ぶ、上司が逃げるほど提案しまくる「怒涛のプレゼンテクニック」

会社でやりたいことをやらせてもらうには?

ビジネス

※写真はイメージです。以下同(Photo by photo AC)

 自分のやりたいことを会社でなかなかやらせてもらえない……。ビジネスパーソンなら、誰しもが一度は持つ悩みではないだろうか。  私も14年のサラリーマン生活を振り返って「仕事の9割は社内決済」とまで思うようになった。人生で仕事が占める割合が決して小さくないことを考えると、指示されたことだけをやるのではなく、自己実現のためにうまく会社組織を利用したいものである。  500社もの会社経営に携わり「資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一は、幕末の動乱期に一橋家に仕えて、明治維新後は大蔵省に勤務。その後、実業家として大海へと漕ぎ出していく。  これまで「渋沢栄一から学べるビジネススキル」として、相手の主張をいったん受け止めてからひっくり返す「説得テクニック」や、時勢をとらえた「変わり身テクニック」について取り上げてきた。今回は、渋沢が世に打って出るために発揮した「怒濤のプレゼンテクニック」について解説したい。

「風通しのよい組織」を入社時に見極める

 無謀な攘夷の計画を中止した渋沢栄一は、従兄弟の渋沢喜作とともに「これから一体どうすればよいのか」と、途方に暮れてしまう。  故郷を追われるように、あてもない京への旅に出た栄一と喜作。二人を拾ってくれたのが一橋家の家臣、平岡円四郎である。栄一は喜作との激論を経て一橋家に仕えることを決めるが、声をかけてくれた平岡に対して、こんなことを言っている。 「志を翻して、食べるための禄を願うことははなはだ好みません」  生活のために任官するのでない、と言い切って、渋沢は意見書まで提出。当時、一橋家の当主である一橋慶喜(徳川慶喜)は、朝廷に任命された朝議参与の一人として京にいた。大胆にも渋沢は、主人である慶喜のスタンスを最初に確かめようとした。  具体的には、「慶喜公に今の世の中で志ある者を召し抱えて、京都御所を警護する思いがあるならば」と任官に条件をつけている。これから入社希望の学生が「志ある人材を雇用して、使命を果たす気持ちが社長にあるならば、入社したい」というようなものである。行くあてもないところを拾われたのに、随分と偉そうな態度にも思える。  だが、よく考えれば、いかにも合理的な渋沢らしい。組織側が雇用する人の意欲を確認するのと同じように、これから働こうとする側も、リーダーの熱意や理念を知っておくのは、筋が通っている。  もし、それを「生意気だ」と拒むような組織ならば、とてもではないが、渋沢のような主体性のある若手が働き続けられる環境とはいえないだろう。入社後のミスマッチは、お互いにとって不幸なだけである。  新しい企画を次々とプレゼンしては、それを実現させた渋沢。最初のコツとして「新参者の意見を聞き入れる社風かどうかを入社前に確かめる」が挙げられそうだ。
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プレゼンは具体的かつ身近なもので
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