天皇や皇族は奴隷ではない。権限がないことと自由や人権がないことは違う/倉山満
傀儡と立憲君主はまったく違う存在
八木氏の謬論のどこが誤りか、教授しよう。八木氏は「天皇ロボット説」に立脚している。宮澤俊義東京大学法学部教授が唱えた。宮澤の説を本人の言葉でまとめれば「天皇はメクラ判をおすロボット」で、政治に一切の影響力を行使してはならないとする憲法学説だ。学界の通説である。だがこの説は、世界の文明国の通義とかけ離れた異様な説である。
今回に限らず八木氏が金科玉条の如く引用することが多い『英国憲政論』には、どこにも「君主は政府の傀儡になれ」とは書いていない。それどころか、「君主の影響力の行使の仕方」について微に入り細をうがって解説しているのだが、そこは読んでいないのだろうか。
そもそも、八木氏は傀儡(ロボット)と立憲君主の違いを理解していないらしい。傀儡は、権限があるのに振るわせてもらえない存在である。立憲君主は自ら権限を放棄した存在である。まったく違う。
天皇や皇族は、奴隷になれと言うのか?
皇室史家。憲政史研究家。1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『噓だらけの日本近世史』が2月28日より発売
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