ニュース

天皇や皇族は奴隷ではない。権限がないことと自由や人権がないことは違う/倉山満

すべての自由を放棄したロボットになる訳ではない

 八木氏お好みの日本国憲法の教科書にすら「人権の例外」として真っ先に天皇・皇族が登場する。そもそも、憲法学者のいわゆる「人権」とは日本国憲法の条文にある「国民の権利」の言い換えである。天皇も皇族も国民ではないのだから、この意味での人権が無いのは当たり前だ。八木氏の誤謬は、権限や権利を制約されるからと、すべての自由を放棄したロボットになる訳ではない点にある。  八木氏は昨今の秋篠宮家バッシングに乗り、「悠仁殿下が即位を拒否したらどうしよう」などと煽る。その対策として、「憲法で皇族を縛れ」と言い出す。  では聞く。いかに権利を奪われた人間でも自殺する自由までは奪えない。八木氏には、そこまでやる覚悟があるのか?

「悠仁殿下が即位を拒否したら」は八木氏の勝手な妄想

 皇室の歴史には、殺された天皇は何人もいる。殺された皇族に至っては枚挙にいとまがない。自殺に追い込まれた天皇・皇族も何人もいる。退位に追い込まれた天皇、即位拒否に追い込まれた皇族も数えきれない。  結局、いかなる制度下であろうと、国民がお守りしない限り、陛下も皇室も守れない。この当たり前の事実を知らぬとは言わせない。  そもそも、「悠仁殿下が即位を拒否したら」は八木氏の勝手な妄想ではないか。  八木氏が今後も一切の反論が許されない皇族に対して物申すなら、私が公開討論の相手になってあげるが、その度胸はあるのか?  逃げるなよ。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

噓だらけの日本古代史噓だらけの日本古代史

ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作は、日本の神話から平安時代までの嘘を暴く!

1
2
3
おすすめ記事