中国勢にチャンス到来なのは間違いないが、脇本選手が不在となったのと入れ替わるように今年ブレイクしたのが関東勢。関東の大将・平原康多選手が寛仁親王牌で久々となるG1制覇によるグランプリ出場権獲得をはじめ、宿口陽一選手が高松宮記念杯で、吉田拓矢選手が競輪祭でそれぞれG1初Vを決めて出場することになった。 　関東勢の並びは吉田−宿口−平原。関東の大将、平原が3番手回りとなり、同県の後輩である宿口陽一選手が司令塔の位置に。皆が気になるその真意とは…… ——6月の高松宮記念杯のことなのですが、私はレース中に自力を出したときの1周時計を測っていました。明らかにそれまでの宿口選手の時計よりも速くなっていました。その後前橋記念でも優勝しているなど、明らかに好調、というよりも実力が上がったように感じるのですが、変化した秘密を教えてもらえますか。 宿口　1周の時計を測っている方がいるのは驚きました。実は練習はこれまでと変わらずだったんですが、高松宮記念のときは平原さんを真似してるなかで自転車のセッティングやシューズがものすごく噛み合ったんですよ。いままでで最高でした。もちろん練習を変わらず続けてきていたからこそ、噛み合ったときに結果を出せたのだと思います。 ——その後の好調もセッティングで正解が見つかったからでしょうか 宿口　いえいえ、次の開催からまた色々調整しているので、今はそれと同じわけではありませんが、今なら自転車のフレームがすごく合っているいい状態ですので、いい状況でグランプリを迎えられそうです。 ——グランプリでは関東3車の番手となりました。 宿口　責任がある位置で緊張感がありますね。いろんな展開が想定されるので、今の時点でこうしようと決めていませんが、状況に応じて対応していこうと思っています。競輪は実際に間近で見ることができる公営競技です。風を切る音というのが実際に聞こえますので（グランプリだけではなく）一度競輪を見に来てほしいですね。 　宿口選手は初出場の緊張からか、慎重にコメントする姿が印象的であったが、一つひとつのコメントに自信と迷いがなく、関東3車の番手、しかも後ろに尊敬する平原選手を背負ってのレースでもしっかり対応してくれそうだ。