「鎖骨を折ってからが競輪選手」直前で骨折も迷いない守澤太志
12月9日に落車して骨折も地元で気合いの入る守澤太志選手 写真/(公財)JKA提供
2年連続GP出場をギリギリの9位で決めた守澤太志選手だったが、12月9日広島記念初日に落車、鎖骨骨折となってしまい出場そのものが危惧されていたが、21日の共同記者会見で無事出場を報告。だが、鎖骨骨折の具合は皆が気になるところだろう。しかし守澤選手ならではの考え方で、その心配は杞憂かもしれない。
——2年連続グランプリ出場おめでとうございます。ですが、やはりみなさんが気になるのは落車の影響です。
守澤 鎖骨の完治は先でグランプリまでにはくっつきませんし、痛みも残っていますが落車した翌日には手術して対応していますし、今はもう自転車に乗れて練習もできています。折れてるままですが走ろうと思えば走れるし、ぶっちゃけ競輪選手をやっていれば一度は鎖骨は折ります。「鎖骨を折ってからが競輪選手」なところもあるので(笑)。当たり前のことだと思って走りますよ。
——なんと心強い。さて、ラインは郡司−佐藤−守澤となりました。守澤選手から3番手を希望したとのことでしたが、この位置はどう思いますか。先頭が他地区の郡司選手なので先行の期待は高くはないように思いますが。
守澤 いや、郡司さんには郡司さんが勝てるように走ってもらいたいと思ってます。なぜなら、捲られるような早仕掛けの先行では苦しいので、むしろ郡司さんには勝ちに行ってほしい。そうしたほうが(自力がない)自分と慎太郎さんにはチャンスがあると思ってます。
——ですが、そうなると3番手の位置は勝ちには遠そうですが……
守澤 割り切れるので良いなと思ってるんですよ。落車してどこまで調子を戻せるかというのもありますし、2年連続9番目での出場権獲得ですから気楽ですし、捲りの3番手になるのだと考えれば、割り切って「直線チャンスがあれば突っ込むだけ」に照準を絞ることができるんですよ。
——他の誰よりも考えることが少なく集中できる。
守澤 そういうことですね(笑)。今年はできるだけ上位の着順を取ることに関して満足しています。今年は追い込むことに集中できてると思いますよ。(補足:守澤選手の直近4ヶ月での3連対率は66.6%で追込選手としては高い数字だ)
——それは車券を買う側にとってもありがたいことですね。では、最後に初めて競輪を見る方へメッセージをお願いします。
守澤 競輪選手っていろんな人がいていろんな走りをする人がいますので、人を見に来てほしいですね。走りでいえば僕みたいに逃げたり捲ったりではなく、直線鋭く伸びようとする走りもあります。そして、できるだけ目立つように金髪にしてます。
——金髪って根元を染めるためにきれいにしておくには手間かかりますよね。
守澤 そうなんですよ、金髪ってケアが大変。最近の悩みはもっぱらそこです(笑)。でも金髪にしているのは目立つためだけじゃなくて、金髪にしていて目線を浴びた状態で平凡な成績では恥ずかしいので、自分にハッパをかけている面もあるんですよ〜
落車の件について確認しようと思ったが、逆に割り切って直線追込、強襲一本で走るという力強い言葉が守澤選手から聞かれた。金髪の手入れについての悩みのほうが大きいみたいだ。しかし、まるで守澤選手の目立ちながら結果を出すという考え方は……そう、今話題のBIGBOSS新庄剛志と一緒なのでは?