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虐待・いじめ・不登校を乗り越えて16歳で東大合格へ。カリスさんの“一発逆転”人生

華々しい経歴の裏にある「足掻きの物語」

 東大イメージ  僕の経歴はこんな感じだ。 ・16歳で東大に合格 ・ケンブリッジ⼤学を含む、海外のトップ大学で訪問研究 ・ストレートで東大の博士号取得 ・論文引用数684回 ・日英韓のトライリンガル  この経歴せいか、僕は「恵まれた環境で育ったはず」「生まれ持った頭脳がまるで違う」「幸運な人」などと、大衆から「別世界の人」として見られることが多い。  でも実を言うと僕の人生は、偉人に憧れたちっぽけな少年の「足掻きの物語」だ。  惨めな家庭・学校環境から抜け出すために、死物狂いで頑張った。頭脳に劣等感を抱きながらも、自分には才能があると信じ抜いた。悪運を断ち切って幸運を掴もうと、断腸の思いで決断をかさねた。  困難。試練。不幸。僕がどん底から這い上がれたのは、成り上がれたのは、勝ち上がれたのは、2つの「強欲な戦略」があったからだ。 ①冷静な狂気で、自分の勝ち筋を見つける ②2年で、人生を変える大勝負に出る  本稿では、これらの強欲な戦略を駆使して人生逆転を果たした「僕の苦しかった頃」を、感情を込めて振り返る。さらに次回の記事では、「自分の勝ち筋を見つける方法」と「2年で人生を変える方法」といった具体的な思考法を伝授する。 「どれだけの労力を注ぎ込んだかを知れば、天才なんて呼べないはずだ」(ミケランジェロ・ブオナローティ)

虐待といじめへの反旗を翻した韓国時代

釜山イメージ 僕の生まれは、韓国第2の都市・釜山。惨めな生い立ちを経験した。  物心がつく頃には、アルコール依存症の親父から暴力を振るわれていた。学校でも、持ち物を盗まれたり、メガネが割れるまで殴られたり、椅子を投げられたりと、いじめに遭った。  逃避するかのように、英雄が登場するゲームや本にのめり込んで、延命するだけの日々。苦しい。悲しい。辛い。痛い。憎い。憎い。憎い。助けて。  自分の身に降りかかる全ての不条理を呪った。虐待する親父も、いじめっ子も、それを傍観する親戚や先生を含む周りの大人たちも。  でも一番許せなかったのは、僕自身だった。何もせずに、何かを期待していた、ただ「救世主」を待ちわびていた僕。願いは願うだけで、叶うとでも思っていたのか。  結局自分の救世主は自分自身だけ。どうせ今生がダメなら、一か八か賭けに出るしかない。一と八のどの目が出たところで、「ゼロ」よりはマシだ。  僕が憧れ続けた英雄だって、最初から英雄だったわけではない。無謀な「冒険」を成功させたからこそ、英雄になれた。無様で、滑稽で、最後は「やっぱりダメだった」で終わるかもしれないけど、僕も冒険がしてみたい。 「この地獄の沼から早く抜けなければ、その先は自殺しかない」と実感していた。ここで立ち上がらなければ、僕は過去の自分に一生誇れないだろう。  今は無力で、虚ろで、ちっぽけ。  でも、だから強くなりたいんだ。  自分の成長を信じて、進むんだ。
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「圧倒的な才能が自分にはあるはず」と信じ込むことにした
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1993年、韓国生まれ。16歳で東京大学に合格。日本政府から天才認定(学生としては初めて、研究業績だけで永住権を取得)を受ける。博士(情報理工学/東京大学)。英・ケンブリッジ大学/独・ミュンヘン工科大学/伊・ミラノビコッカ大学で訪問研究。⽇本トップレベルの医療AI研究者であり、「みんな健康かつ笑顔で暮らせる社会」を実現すべく、医用画像データプラットフォームを手がけるCallisto株式会社を創業。YouTubeチャンネル『カリス 東大AI博士』にて、科学的勉強法・科学的思考法・AIなどについて配信中

誰でも“天才になる”方法

16歳で東大に合格した
元引きこもりの僕が教える逆転の思考法


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