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16歳東大合格男が指摘「努力を平気で裏切る無駄な勉強法TOP3」

意味のない努力に自己満足している「勉強熱心」は報われない

カリスさん(姉の結婚式当日、ソウルにて)

筆者・カリスさん(姉の結婚式当日、ソウルにて)

 多くの学生・社会人は「頑張って勉強しても結果が出ない」と嘆く。だが、それは当然である。あなたは「勉強した」のではなく、「勉強した気になっている」だけだから。「勉強」と「作業」は似て非なるもの。 【勉強】脳に負荷をかけることで、新たな学びを得る(例:知識習得・理解度向上・知識応用) 【作業】脳に負荷をかけずに、ルーチンワークをこなす(例:単なる復習・ノート作成・単語帳作成)  単純作業を延々と繰り返しても、時間の無駄に過ぎない。なのに勉強が苦手な人は、「机に長く向かっていた」という報われない努力をしただけで、自己満足に浸ってしまう。  行動だけ頑張って、身体を酷使する「Work Hard」は、意味のある努力ではない。明確な目的を叶えるために、心身ともに頑張る「Try Hard」こそが、意味のある努力だ。 「努力の先にあるものに価値があるのであり、努力そのものには価値はない」(野村克也) ノートに書く作業イメージ 人間の脳には、2つの思考システムがある。 1.作業に使われる、直観的で「怠惰」なシステム 2.勉強に使われる、逆算的で「勤勉」なシステム 「怠惰」なシステムの例としては、「タイポグリセミア」と呼ばれる、単語の最初と最後以外の文字を並べ替えても、問題なく読めてしまう現象が挙げられる。たとえば、この文章は何も考えなくても正しく読めるはずだ(『2ちゃんねる』より)。 「こんちには みさなん おんげき ですか? わしたは げんき です。 この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか にんんげ は もじ を にしんき する とき その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば じばんゅん は めくちちゃゃ でも ちんゃと よめる という けゅきんう に もづいとて わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。 どでうす? ちんゃと よゃちめう でしょ?」  ちなみに、AI研究者として僕もケンブリッジ大学で研究をしたことがある。

「怠惰」なシステムと「勤勉」なシステムを上手く使い分ける

考える中学生「勤勉」なシステムの例としては、読解力が問われる文章が挙げられる。たとえば、この読解力問題は中学生の「9%」しか正答できなかったらしい(新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』より)「アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない」  この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。  セルロースは(     )と形が違う。 (1)デンプン (2)アミラーゼ (3)グルコース (4)酵素」  不正解の人がたくさん出てしまうのは、頭を使わずに、なんとなく直観で答えているからだろう。多くの人は「勤勉」なシステムを使うべき場面でも、知らず識らずのうちに「怠惰」なシステムに頼ってしまっている。生き物にとって「エネルギー温存」は生存に直結するので、それは当然とも言える。  しかし冷静になって、「怠惰」なシステムと「勤勉」なシステムを上手く使い分ける癖をつければ、答えが「(1)デンプン」なのは誰でも分かるはずだ。このように、必要な場面で「勤勉」なシステムを駆使する状態だけが「勉強」であり、そのときに人は学びを得る。 「怠惰」なシステムを使って、簡単なことを無意識的にこなすときは、脳内で化学信号の伝達を伴う「短期記憶」しか生じないので、学びは得られない。  しかし「勤勉」なシステムを使って、難しいことに意識的に繰り返し挑戦するときは、脳内で化学的変化だけでなく、ニューロン構造(例:新しい神経突起とシナプスの成長)や遺伝子発現レベルで脳の変化が起こる。  その結果、「短期記憶」が徐々に「長期記憶」に移行していくので、人は学びを得て成長できるのだ。常にカーナビをつけて運転すると、道に迷うことはない。でも道は覚えられなくなる。同様に、「心地悪い場所」に身を置かないと、僕たちは何も学べない。  僕は、勉強も作業も大嫌いだ。ほとんどの時間は趣味や関心事に使いたい。でも、だからこそ16歳で東京大学に合格できたし、ストレートでAI博士にもなれた。作業を最低限に抑えて勉強に集中すれば、努力は裏切らないから。 「手間を惜しむための手間を惜しまない」(カリス)
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