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今夏も猛暑のおそれが。医師が教える「知っておくと便利な熱中症対策」

水分補給も最適な水温で!

熱中症 暑くなってくると、キンキンに冷えた水分が欲しくなる。しかし、水分補給という観点から考えると、飲み水の温度は8〜13度くらいが理想的なのだという。 「冷やし過ぎや常温に近いものは、あまり多くは飲めないもの。8〜13度くらいの温度は、冷蔵庫から出して20分ほど常温に置いたくらい。この温度が、飲みやすく、腸からの消化吸収も良いと考えられています」(森田先生)  ちなみに、熱中症ではないが、夏の悩ましいものの一つに「夏風邪」がある。夏風邪でのどに痛みがあるときは、マシュマロを冷やしたもので少しラクになるという。マシュマロのゼラチン質が口腔内で溶けて液体になり、喉の粘膜を保護して痛みを和らげるという。

今からできる対策「暑熱順化」で汗をかく練習を

 さらに、本格的な猛暑の前となるこの時期、熱中症に有効な対策がある。それは「暑熱順化」だ。 「『暑熱順化』とは、体を暑さに慣れさせること。汗をかく機会が少ない冬から、急に暑くなると体がまだ慣れずに体温調節がうまく機能しません。日常生活の中で、ウォーキングなどの軽い運動や入浴で汗をかく練習をしておくと良いでしょう。暑熱順化には個人差がありますが、1〜2週間ほどかかるといわれています。本格的な猛暑が来る前に、ぜひ取り入れてほしいと思います」 <取材・文/熊谷夏美> 森田豊(もりたゆたか) 1963 年東京都生まれ、医師・医療ジャーナリスト。’88年秋田大学医学部卒業。’95年東京大学大学院医学系研究科修了。’96年東京大学医学部付属病院助手を務め、’97年ハーバード大学医学部専任講師、2000年埼玉県立がんセンター医長、’04年板橋中央総合病院部長。現在は現役医師として診療に従事し、医療ジャーナリストとして、テレビ、ラジオ、雑誌などで医療解説や医療監修など幅広く活躍中。ドラマ、『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日)の医療監修も行う。
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