安藤政信47歳、太宰治作品はハマり役?「どちらかといえば破滅型っぽいのかな」
波乱に満ちたドラマチックな人生と類まれな才能で、いまなお絶大な人気を誇る天才作家・太宰治。数多くの傑作小説が並んでいるが、ベストセラーにもなった「斜陽」が誕生してから今年で75年となる。そんななか、完成したのが現在公開中の映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』だ。
本作では敗戦後の昭和20年を舞台に、没落貴族となった女性が道ならぬ恋へと突き進んで行く姿を描いている。劇中で圧倒的な存在感を放っているのは、主人公が全身全霊で愛する売れっ子作家・上原二郎を演じた安藤政信(47歳)。この役は、太宰自身の生き様を投影した役どころでもあるとされている。
安藤といえば、デビュー作となる1996年の北野武監督『キッズ・リターン』で一躍注目を集めたのち、映画を中心に活動。近年はドラマへの出演にも積極的に取り組んでいるが、これまでに活動休止や海外進出など唯一無二のキャリアを積み重ねてきた。
現在は、カメラマンや映画監督としても、才能を発揮している安藤に、今回は、本作を通して感じた太宰治の魅力や11月から新事務所に所属するなど自身の転機、そしてクリエイティブに対する情熱について語ってもらった。
――まずは、本作への出演を決めた理由から教えてください。
安藤政信(以下、安藤):以前、深夜ドラマで一緒に仕事をしたことがあった友人からの紹介で、この企画に関わることになりました。その後、本作の監督である近藤(明男)監督が体調を崩されたことで3年間待つことになりましたが、そういったこともあったので、自分としては作品よりも監督のためにという思いのほうが強かったです。
――演じられた上原は、太宰治を彷彿とさせる人物ですが、主演の宮本茉由さんからは「安藤さんにしかこの役はできない」と言われたとか。
安藤:実は、この仕事を始めた20代のときから、なぜか「太宰治の作品が絶対に合う」とずっと言われてきました。自分ではよくわからないですけど、どちらかといえば破滅型っぽいのかなと思うところも。自らの命を絶つような域にまで踏み込んだことはありませんが、周りからすると通じるものがあるみたいです。
――実際に演じてみて、シンパシーを感じる瞬間はありましたか?
安藤:確かに、腑に落ちるところもありましたが、なかでも愛に深く生きるというか、縛られることなく自由に奔放に、目の前に現れた人や感情に対してまっすぐなところはいいなと思いました。
コンプライアンスという言葉がない時代だったというのもありますが、「結婚していようが愛する人が何人いてもいいんじゃないか」というのは自分も昔から言っているほうなので。まあ、それを実際にしてしまったら叩かれるとは思いますが(笑)。でも、そういう他人に抱く愛の強さみたいなものは、似ているところがあるような気がしています。
作品よりも監督のために映画出演
「愛する人が何人いてもいい」太宰治に共感

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