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現代人の体調不良を劇的に改善するカギは「水分補給とストレッチ」

ストレッチで本来の筋肉を取り戻す

橘さんにストレッチを受けて「リラックス」している筆者

橘さんにストレッチを受けて「リラックス」している筆者

カリス:ご本業のストレッチについても、ぜひ教えてください! そもそも、なんでしないといけないんですか? 橘:現代人は座りっぱなしですよね。長時間座る姿勢自体、本来の人間のあるべき姿でありません。同じ姿勢を続けると、身体が固まって思うように動かなくなりますし、血流が下がって肩こりや頭痛にもなります。だから意図的に関節を伸ばす運動(=ストレッチ)をして、可動域拡大と血流促進をする必要があるんです。実際に東大の研究によると、手首を伸ばすだけで、血流が上がるらしいです。 カリス:ストレッチって、身体の外側にも内側にもアプローチできるんですね。確かに、可動域が狭いなど、体調不良の人は筋肉や関節があるべき場所にない気がします。 橘:はい、習慣的に猫背や頭痛になる人は、自律神経が崩れています。ストレッチして可動域を広げると、副交感神経が優位になるので自律神経を戻せます。腕・足が軽くなるので、歩行や手作業といった日常生活のパフォーマンスも上がりますしね。 カリス:僕も猫背で頭痛持ちですが、ストレッチが足りなかったんですね。。具体的なストレッチのコツってありますか? 橘:4つあります。 ①習慣化して毎日やる。継続しないと、筋肉は元に戻ってしまいます。 ②呼吸を止めない。息を止めると力んでしまって、怪我しやすい。細く長く呼吸しながらストレッチすると、よりリラックスできます。 ③反動をつけずにやる。ラクしようと反動をつけると、筋肉を傷つけてしまいます。 ④リラックスできる回数だけこなす。ストレッチするときは、30-40秒ほど同じ筋肉を継続して伸ばしますが、何セットするとかは決めなくていい。回数よりも、気持ち良い状態に持っていって、リラックスするほうが大事です。 カリス:おお、アドバイスいっぱいで嬉しいです! 物凄く納得感があります。特にリラックスのところはそうですよね。「身体を伸ばすことで、心も伸ばす」的な? 橘:おっしゃるとおりです。電車や街中でキレている人は、実は筋肉が硬いからキレているんだと思います。自分の身体が思い通りに動かないから、心に余裕を持てなくなって、自己制御を失ってしまう。リラックスすると不安が軽減できるので、ポジティブかつクリエイティブになれます。

「肩甲骨」と「お尻」のストレッチが重要

カリス:リラックスは、ストレスという根源を打ち消すことができるので、ホント大事ですよね。僕もキレそうになったら、ストレッチしてみます(笑)。そういえば、特にストレッチしたほうが良い筋肉ってありますか? 橘:身体の土台となる大きな筋肉であり、デスクワークで固まりがちな「肩甲骨」と「お尻」が特に重要です。肩甲骨とお尻だけでも、毎日ストレッチを続けてください。筋肉は全体的に繋がっているので、これらの筋肉に柔軟性をもたせると、全身が柔軟になります。 カリス:それぞれ、やり方も教えてください! まず肩甲骨から。 橘:肩甲骨を「意識しながら」大きく回すのがオススメです。何も考えず、ただ回してる人が多いですが、ストレッチする際は筋を意識すべきなんです。そうすると神経筋協応能(神経と筋、関節、靭帯等の調和)が高まり、姿勢改善、神経・筋機能促進、血流・代謝促進、老廃物除去、歪み矯正、リラクゼーションにつながります。 カリス:あー。「めんどいなー」とか思いながら、普段は筋をまったく意識せずストレッチしていました。本当は良くなかったんですね。お尻のストレッチはどうですか? 橘:座ったまま足を組んで前に倒す、腿上げする、の2つがオススメです。肩甲骨同様に、「意識しながら」すべきですね。僕の経験則で言えば、腰痛持ちの8割は、お尻が硬いんです。下半身のケアができてない。 カリス:実際にお客さんで、ストレッチして体調が良くなった事例をいくつか紹介していただけますか? 橘:枚挙にいとまがないほどあります! 「内臓機能回復と血流向上で便秘が治った」「可動域が増えて活動量が増えた分、一気に体重が落ちた」「運動したくなったし、やる気もでてきた」などなど。本当にストレッチを毎日やらない理由がない。 カリス:水分補給とストレッチは相乗効果もありますし、体内外を整えるという点で「最強のリセットボタン」に思えてきました。とってもタメになる取材でした。最後の一言で、ビシッと締めてください! 橘:水分補給とストレッチを習慣づけて、思い通りに動く身体を手に入れましょう! あと、橘天馬という名前でインスタやってるんで、見てみてください!(笑) 「ストレッチは、心と身体を開放するための鍵である」――ティチ・ナンダン(ヨガの師) 文・写真/東大AI博士・カリス
1993年、韓国生まれ。16歳で東京大学に合格。日本政府から天才認定(学生としては初めて、研究業績だけで永住権を取得)を受ける。博士(情報理工学/東京大学)。英・ケンブリッジ大学/独・ミュンヘン工科大学/伊・ミラノビコッカ大学で訪問研究。⽇本トップレベルの医療AI研究者であり、「みんな健康かつ笑顔で暮らせる社会」を実現すべく、医用画像データプラットフォームを手がけるCallisto株式会社を創業。YouTubeチャンネル『カリス 東大AI博士』にて、科学的勉強法・科学的思考法・AIなどについて配信中

誰でも“天才になる”方法

16歳で東大に合格した
元引きこもりの僕が教える逆転の思考法

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