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大学教授への依頼文はなぜ“炎上”した?思わず「引き受けたい」と思わせるメールの極意

冒頭の依頼文はなぜ炎上したのか?

中村洋太

ライター講師の中村洋太氏

 冒頭でも触れたTwitterで炎上した依頼文だが、同じ文言をそっくりそのまま別の大学教授にも送っていたことが判明した。「拝啓」と時候の挨拶にはじまり、「敬具」で締めくくられた短い文章には一方的な要望が並び、相手への敬意が感じられる内容ではなかった。 「話題になった件を見て改めて思ったのですが、メディア関係で取材をお願いすれば必ずOKしてもらえるような環境にいた方は、所属組織のネームバリューに甘えて、依頼の仕方が上から目線になってしまいがちなのかもしれません。  依頼を受ける側の立場に立ってみると、雑な文章で依頼されたら、自分のことも雑に扱われそうな気がして、お返事もしにくくなってしまいますよね。依頼する側としては、テンプレートをなぞるだけでなく『自分がもしそのメールをもらったらどう思うか』という想像を巡らせ、つねに謙虚な気持ちと相手へのリスペクトを持って臨むべきです」  自社のサービスや製品を売り込むのであれば、その特徴や実績をわかりやすくまとめる。依頼する前に相手のことをよく調べ、自社のサービスや製品を導入することで相手にとってどんなメリットがあるか、具体的に試算してみる。そして、それらを適切な距離感で伝える——。  このようにシチュエーションを置き換えて考えてみると、今回教わった依頼文作りの心構えは、さまざまなビジネスシーンで活かすことができそうだ。 <取材・文/松嶋千春(清談社)> 【中村洋太】 フリーライター、エッセイスト、ライター講師、モデル。1987年横須賀生まれ、早稲田大学創造理工学部卒。ダイヤモンド・オンライン、朝日新聞デジタルなどで執筆。自転車で世界1万キロを旅する。「ライターコンサル」を運営し、コンサルと添削を通してプロライターを育成。受講生は125名を突破。元海外添乗員。Twitterアカウント:@yota1029
様々なメディア媒体で活躍する編集プロダクション「清談社」所属の編集・ライター。商品検証企画から潜入取材まで幅広く手がける。
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