お金

「餃子の王将」と「大阪王将」…両社の稼ぎ方が“全く異なる”納得の理由

アサヒビールが王将に与える影響とは?

 イートアンドと王将の2社は、経営戦略も大きく異なります。イートアンドは事業ポートフォリオの拡大に動いている一方、王将は主力事業に集中しているのです。  イートアンドの飲食事業は、中華料理店だけではありません。ラーメン店の「よってこや」、「太陽のトマト麺」、ベーカリー・カフェ業態の「R Baker」、「コシニール」、たんめんを中心とした中華業態「一品香」などを展開しています。  食品事業においても、「大阪王将 なにわのジューシー焼売」など、餃子以外の商品にも力を入れています。  王将は店舗を出店して拡大するという基本戦略は、長い間変わっていません。効率化を進める王将は食品加工工場を5つ所有しています。餃子はもちろん、から揚げや春巻き、チャーハンなどの人気メニューもあります。冷凍食品などとして販売してもおかしくはありません。  それをしない背景の一つに株主構成があると考えられます。王将フードサービスの筆頭株主はアサヒビールで、10.90%を保有しています。アサヒビールにとっては、王将が店舗を拡大し、供給するビールの量が増えた方がメリットはあります。冷凍食品を販売しても利益には繋がらず、あえてそれをするインセンティブがありません。  イートアンドは創業者・文野直樹氏とその資産管理会社が、株式の3割近くを所有しています。サントリーの持株比率は2%程度。イートアンドは創業者の意向が強く反映されていると考えられます。 <TEXT/不破聡>
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
1
2
3
おすすめ記事