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「日本の学生は優秀なのに自信を持てていない」“世界16位の名門大学”を蹴って早大に進学した理由

 日本には、東京大学だけでなく、早稲田大学、慶応大学といった私学の雄や、音楽芸術系の東京芸術大学など様々な難関大学があります。今回は東京大学以外の難関大学出身者に話を伺います。

中学生で中国から日本へ編入

孫辰洋

孫辰洋さん

 本日お話を伺うのは、この3月に早稲田大学を卒業して、いまはリザプロ株式会社の代表取締役を務められている孫辰洋さんです。彼は、中国の清華大学に合格したにもかかわらず、敢えて日本の早稲田大学に進学しています。清華大学は、Times Higher Educationの主催する世界大学ランキングでも16位にランクインするなど、世界的に見てもかなりの名門校。どうして、早稲田大学を選んだのでしょうか。本日は、日本に対して燃える思いを抱く孫さんの半生に迫ります。 「私は、もともと中国で幼少期を過ごし、中学校の途中で、中国から日本へ編入してきました。最初は敬語で苦労しましたが、高校が礼儀に厳しかったので叩き込まれました」  孫さんは体が大きく、コミュニケーション能力もあったので、クラスに溶け込むのは難なくできました。唯一、敬語など礼儀関係では苦労しましたが、高校の先生から厳しく教え込まれたおかげで、今もしっかりビジネスの場面で活きているそうです。今は恩師に大変感謝しているとのこと。  彼は、もともと海外大学志望でした。国公立至上主義だった高校の方針から反対はされていましたが、無理を通して清華大学の受験を決意します。 「清華大学に受験しに行ったら、変わった女の子がいたんです。なんで大学受けに来たのって聞いたら『私は人類にエラをはやしてみたいの』って言われたんですよ(笑)そんな人、なかなかいませんよね。ほかにも、母国の公共交通機関をどうにかしたいインドネシアの子や、金持ちになりたいシンガポールの子など、いろいろな人がいました」

日本の高校生は自信とコミュ力で負けている

「彼ら彼女らを見て、考えたことがあります。それは、日本の高校生は、彼らよりもずっと優秀な学力をもっています。なのに、自信とコミュ力で負けている。日本の教育システムは個々人の『できない』を突き付けます。苦手をなくす方針だからこそ、自分のできないと向き合わなくちゃいけない。これでは自信が育つはずもない」  海外のシステムは得意を伸ばす教育です。日本の高校生の基礎学力は、世界に勝っていてもおかしくないのに、自信形成で差をつけられています。  早慶の学生たちを見ていてもそれがわかります。本当は優秀なはずの彼らですら「私たちの人生はどうなるんだろう」と話しています。
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早稲田で教育を研究することに
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1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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