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「謝罪の手紙を賞状みたいに飾っている」クレームがやめられない37歳男性。学生同士の微笑ましい一幕にも“正義の制裁”

 大谷翔平の通訳・水原一平が違法賭博で球団を解雇された。ギャンブル依存と報じられている。日々の生活に支障を来しながら「やめたくてもやめられない」依存症。酒や薬物以外にも、意外なものに耽溺する人々がいる。あなたは「他人事」と言い切れますか……?

怒りの沸点が低くなり、クレームが病みつきに

依存症

市川博史さん(仮名・37歳)

【市川博史さん(仮名・37歳)食品メーカー】  些細なことで怒りを抑え切れずに、店員を執拗に叱りつけるクレーマー。これは依存の一種かもしれない。大手食品メーカーに勤める市川博史さんは、クレームを止められなくなった経緯についてこう語る。 「3年前、立ち食いそば屋で、器にビニールの破片が入っていました。100%落ち度は店にある。全部食べ終えてから、無料にしてもらおうと、バイトのおばちゃんにクレームをつけました。でも店員から平謝りされただけで、そば代は無料にはならなかった。人生初のクレームは、正当な怒りの対価はもらえず、ただただむなしいだけでした」  しかし、これで「理由があれば怒ってもいいんだ」と思うようになり、クレームをつけるハードルは一気に下がる。

学生同士の微笑ましい一幕でも…

依存症

企業から届くお詫びのメールは刷り出して保存。「お店で滑って転んだら、バイトに笑われました。慰謝料はなし」

「某カレーチェーンで、私の隣に学生バイトの友達が座っていて、そのバイトは友達に『好きなものトッピングするから教えて』と誇らしげでした。その店は特定の日にトッピング無料券を配っていて、コツコツ集めていた私は思わず『不公平だろう!』と怒鳴りました。店員は謝るだけで、私のトッピングは無料になりませんでした」  学生同士の微笑ましい一幕でも、市川さんは“正義の制裁”を加えないと気が済まない。
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クレームをつける理由は?
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