満員電車で女性の肩を“枕代わり”に爆睡。マナー違反に遭遇しても「怖くて声をあげられない」現実
移動に欠かせない交通手段のひとつである電車。しかし、通勤や通学の時間帯は混雑するため、殺伐とした雰囲気がある。車内では譲り合いの精神を持って、お互い気持ちよく過ごしたいものだ。
今回は、電車内での迷惑行為に遭遇しながら、何も言えず悔しい思いをした2人のエピソードを紹介する。
鈴木早紀さん(仮名・20代)は、家族と電車に乗っていた。
「空いている席がまばらだったので、父だけが向かいの席に、私たちは並んで座っていました。しばらくすると、席が空きはじめたため、父の隣の席には誰も座っていない状態でした」
すると、長身の男性が乗車してきたという。その男性は、すっかり眠っている父の隣に座った。男性は座るや否や“特大ボトルの消臭・除菌スプレー”をカバンから取り出した。そして、勢いよく全身にかけはじめたという。
「全身が霧に包まれるように念入りにかけていたので、隣で眠っている父にも大量にふりかかっていました。あまりにも“シュッシュ”という音がしていて、霧がふりかかったからなのか、父は途中で起きていました」
しかし、父はあまりにも奇想天外な出来事に理解が追いつかず、戸惑って寝たふりをしていたそうだ。
「やはり電車内では迷惑なので、姉が男性に聞こえるくらいの声で、『ちょっと、何してんの?』と声をあげました。でも、彼は動じる様子もなく、依然として全身にかけていました」
鈴木さんも「こっち来なよ! 移動したほうがいい」と父に声をかけたが、“スプレー男”が何をするのかわからず「怖かった」ため、その場から動けなかったようだ。
「母が『周りを気にせずにスプレーをかける人なんてマトモな人じゃないから、刺激しないほうがいい』と耳打ちしてきたので、申し訳ないけど父のことは見捨てて、見て見ぬふりをしていたんです」
そして、男性の奇行は、鈴木さんたちが電車から降りた後も続いていたのだとか。
「電車から降りてそっと見てみると、父が座っていた座席にも念入りにスプレーしていました。相当な潔癖症なんですかね……」
コロナ禍以降はウイルスや菌の付着を気にする人も増えたが、電車内で周囲に一言もなくスプレーをまくのはいかがなものだろうか。
電車内で消臭・除菌スプレーを噴射する男性客
「ちょっと、何してんの?」周囲の声も聞く耳もたず
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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