NYに上陸したメイドカフェに行ってみた
日本のオタク文化が世界に広がる中、アメリカの最先端巨大都市ニューヨークについにメイドカフェが上陸し話題になっている。
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◆「”おかえりなさいご主人さま”って言ってくれないんですか?」と聞く米国人オタク男子
こうしてニューヨークのメイドカフェは日本の〝カワイイ文化〟好きなアメリカ人ギャルのメッカとなりつつあるが、もちろん日本のメイドカフェのようなオタク男子も口コミやネットで情報を得て集まりつつある。
そこでわかったのは「アメリカのオタク男子は日本のオタク男子と全然違う」ということだと前出の吉村さん。
実はニューヨークにメイドカフェをオープンした当初、メイドさんが独特の言い回しでお客さんをもてなしたりお客さんと一緒にゲームをするなどのメイドカフェ特有のサービスは行っていなかったという。メイドカフェとはいっても相手をするお客さんの多くは日本のメイドカフェ文化など知らない一般のカフェ利用者だと考え、店のインテリアや店員のコスチューム、提供する食事やデザートなどは可愛らしくメイドカフェ仕様にしたが、メイドカフェ特有のサービスをすると逆に引かれてしまうからと自粛していたのだ。
ところがオープンして間もなく、ネットで情報を得たアメリカ人のオタク男子がやってきた。日本のアニメが大好きで日本のオタク文化にもめっぽう詳しい、かなり濃いタイプのオタクだった。
そのオタクが「おかえりなさいませ、ご主人さま、って言ってくれないんですか?」と聞いてきたのだという。
吉村さんは「日本の場合、オタクな男性というのは自分の意思表示をはっきりしないし、受け身ですよね。でもアメリカのオタクは違うんです。自分の意思表示を何の躊躇もなくするし、コミュニケーションが普通に取れる。そのギャップに驚きます」と話す。
こうした要望は予想以上に多く、吉村さんはメイドカフェ特有のもてなしサービスを始めることになった。しかしメイドカフェ文化に馴染みのないお客さんにまでそれをやることは躊躇われるため、やって欲しいお客さんがシークレットコードを言った場合だけサービスをすることにしたという。シークレットコードは「MCNY」。それを言われたメイドさんが「おかえりなさいませ、ご主人さま」と返すというシステムだ。
アメリカのオタク男子がもうひとつ、熱く要望してくるのが「メニューにオムライスを加えて欲しい」ということだという。メイドカフェといえばケチャップで可愛くトッピングされたオムライスが名物だが、メイドカフェ・イン・NYではまだオムライスをメニューに入れておらず、予想以上に多い要望に驚いているところだという。
オムライスの代わりにこの店がウリにしているメニューはカレーライスで、これは一般客にはかなり好評。ニューヨークでは現在、ラーメンブームが起こっているが、辛さを控えめにした日本式のカレーは美味しいと、密かな人気を得つつある。こうしてニューヨークのメイドカフェは、日本のカワイイ文化にハマるギャルたちを中心にオタク男子とカレーにハマったアメリカ人たちの間でブームとなっているのだ。
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<取材・文・撮影/水次祥子>
あのヒラヒラの可愛いメイドコスチュームのウエイトレスたちが可愛いデコレーションの食事やデザートを提供してくれる可愛いお店。そんなコンセプトは日本のそれと変わらないが、店を訪れる客層は日本とはずいぶん違うことに驚く。
「メイドカフェ・イン・NY」はマンハッタン南部のチャイナタウンに8月中旬にオープンした。場所柄、中国人や中国系アメリカ人、ヨーロッパからの観光客、近くに官庁街があるためアメリカ人の公務員やビジネスマンも多く訪れているという。だがカフェに最も足繁く通う客層は、実はそうした場所柄とはほとんど関係のない10代から20代前半の女のコで占められているのだ。
「メイドカフェをオープンしてからfacebookを立ちあげたら、メイドは募集していないのか、メイドをやらせて欲しいという若いコたちの問い合わせが殺到したんです」
そう話すのは経営者の吉村聡さん。メイドは現在13人体制だが、欠員待ちのメイド予備軍がオープンからわずか2週間で何と60人もいるという。
彼女たちは10代後半から20代前半のアメリカ人ギャルで、日本の〝カワイイ文化〟、あるいはアニメが大好きというコが大半だ。
メイドになりたい予備軍の中には、あまりにもメイドになりた過ぎるためにまだ雇われてもいないのに毎日のようにお店に通ってくるコたちもいる。彼女たちはそこでパソコンをやりながら時間を過ごしたり、同じようにやって来るメイド予備軍のコとおしゃべりや情報交換をしたり、ボランティアで店を手伝うこともあるという。
取材に行ったのは平日の昼下がりだったが、その日も16歳のメイド予備軍ギャルが2人遊びにきていた。そのうちの1人、エミーちゃんは「カフェで接客業をしたいとは思わないんだけど、メイドカフェの雰囲気を味わいたいの」という。
可愛いメイド衣装を着てみたいという女のコたちも多い。メイドになりたい予備軍ギャルはもちろんだが、お客さんの中にもメイド服ファンが意外に多く、店内に飾られているピンク色のメイド服を購入していくお客さんが結構いるのだとか。カップルの男性が「彼女に着せたい」と購入していくケースも多いそうだ。
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