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ケネディ新駐日大使、早い段階で沖縄に行く可能性も

 近く、ちょっとした“キャロライン・フィーバー”が起こりそうな気配だ――。

キャロライン・ケネディ駐日大使

来日に先立つ13日、アメリカ大使館のホームページには、日米の緊密な友好関係を発展させていきたいとする決意をしたためた新駐日大使のビデオメッセージが公開された。歴代大使の中では初めての試みとなる 写真/アメリカ大使館HP

 11月15日、アメリカの新しい駐日大使に就任するキャロライン・ケネディ氏(55)が来日した。1963年に米・テキサス州ダラスで暗殺されたジョン・F・ケネディ元大統領を父に持つ「知日派」で、オバマ大統領と携帯電話で直接やり取りできるほど“近い関係”ということもあり、今後の日米外交を語るうえで極めて重要なキーパーソンとなることは間違いないだろう。

 アメリカきっての名門・ケネディ家の出身で、ハーバードからコロンビア・ロースクールに進んで弁護士資格を取得した「超」の付くほどのインテリ。加えて、その美貌やオーセンティックなハイファッションが注目され、アメリカ国内でも高い人気を誇っていたという。しかも、母・ジャクリーンが再婚相手に選んだのが「ギリシャの海運王」であったため、キャロライン氏もその莫大な資産の一部を受け継ぎ、過去に「個人資産は最大で5億ドル(約490億円)」と報じるメディアもあったほどだ。

 これまでの歴代駐日大使にはない華やかさを兼ね備え、自身の新婚旅行先に京都や奈良を回るほどの「知日派」としても知られているキャロライン氏。今回の来日に先立って行われた日本の駐米大使主催のパーティーの席でも、松尾芭蕉の「奥の細道」にある「そゞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて、取るもの手につかず」という一節を引用し、「日本に行くのが待ち遠しい」とアピールしている。

 女性誌などでは、早くもキャロライン氏のファッション・チェックなどの企画を始めようとしている媒体もあるという話だが、その一方で、政治、外交経験はゼロに等しいとも評されており、しばらくは、彼女の外交手腕を見極める必要があるというのが大方の見方だ。

 元外務省情報局長で、イラン大使なども歴任した孫崎享氏が話す。

「日本のメディアは『政治、外交経験がないので実力は未知数』と評していますが、それは完全に誤った見方です。2008年の大統領選のとき、のちに国務長官となるヒラリー・クリントン候補を打ち負かし、オバマ大統領誕生の立役者となったのはキャロライン・ケネディ氏に他ならない。現在に続くオバマ大統領との関係を見ても、イラク戦争に対し開戦前から明確に“NO!”と表明していた点を見ても、政治家としての素養はかなりあると思います。しかも、文学や芸術などに精通し、日本について深く勉強している点でも外交能力は高いはず。結局、日米外交と言っても、結局は人対人の関係ですから」

 日米関係を語るうえで、駐日大使の役割が大きいのは言うまでもない。過去を振り返っても、佐藤栄作元首相が沖縄返還に踏み切ったのはライシャワー大使の後押しがあってのこと。湾岸戦争をきっかけに、日本に人的貢献を激しく迫ったのもアマコスト大使だが、言い換えれば、時の駐日大使の意向が、日米関係全体に多大な影響を及ぼすということだ。孫崎氏が続ける。

「キャロライン・ケネディ氏は『知日派』だが、いわゆる、日本を飼い慣らしてきた『ジャパンハンドラー』ではない。これまでの日米関係は、ジャパンハンドラーと呼ばれる軍産複合体の“代弁者”が、日本に集団的自衛権を容認させ、自衛隊と米軍が一体となって海外で戦争ができるよう仕組んできた。彼女がこれまでと違う『知日派』であることが、今後の発言を見ていれば明らかになるはず。恐らく彼女は、ライシャワー大使のようなタイプを目指すことになるのではないか。ライシャワー氏を大使に任命したのはジョン・F・ケネディ大統領ですし、彼女はかなり意識していると思いますよ。ライシャワー氏は日本語が堪能だったということもあり、政治家や外務省の役人といったエスタブリッシュメントだけでなく、ひじょうに広い層と接触していた。しかも、アメリカ追従の日本に対して積極的に自立を促してきた大使でもあった……。つまり言い換えれば、このようなタイプの駐日大使を、日本側がどう“活用”していくかが重要になってくる。例えば、今回、極めて早い段階で新大使が沖縄に行く可能性もあると思います。そこで、実際に現地の人たちの声を聞いたら、『なんで、(在日米軍は)沖縄にこだわっているのか?』という思いになるかもしれません。沖縄の人たちも、アメリカへの不信感は婦女暴行事件がきっかけですから、リベラル派の女性大使が現地に入るということなら受け入れやすいはず」

 急進的な「リベラル派」と目されているキャロライン・ケネディ氏については、従軍慰安婦問題での発言も注目されている。“お立場”上、韓国側の主張を鵜呑みにして日本に不利なメッセージを発信するのではないかとの懸念の声も聞かれるが……しばらくは、新大使の動向から目が離せそうにない。

<取材・文/日刊SPA!取材班>




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