終電まで働いても生活苦…40代で貧困に陥る人の現実
この状況に4年耐えたが、ある日、限界に達する。業務査定の面接で職務の展望を追求され、「あんな仕事しか与えないで、今後の展望も何も無いだろう!」とブチ切れ。「もう辞めるつもりですから!」とタンカを切って退職した。
「実は当時、知人の会社に誘われていたんです。それを当てにしていたのですが、会社をやめた途端、転職話がご破産に。その会社が買収されてしまい、知人に人事権がなくなってしまったんです」
不運といえば不運。しかし、大野さんは「今思えば、確約をとっておかなかったことは、ツメが甘かったと思います」と悔やむ。
また、生活費に困るようになり、知人数名に借金も。その額、合計190万円に。お人柄のおかげか、無利子で貸してくれたのは幸いだ。
「長いこと借りたままになってしまっているのがつらくて。借金返済に毎月5万円を回しているので、生活はカツカツです」
せめて貯金をしてあれば状況も違ったのかもしれないが、貯蓄はなかった。というのも、30歳手前で一念発起、調理師を目指して上京し、その学費が必要だったため。学費が高額で有名な超大手専門学校に300万円かかった。「儲かるから」と、とうもろこしの先物取引を持ちかけられ、騙されて250万円損したのも痛かった。
「でも、自分は人に助けられている。最終的には、人間を信用できないとね」とほほ笑んだ。
1/21発売の週刊SPA!では「新型貧困に陥る人の共通点50」という特集を組んでいる。「転職に失敗した」「給与カット」「肉体的な病気やケガ」など思わぬ不幸に足を絡め取られ「40歳をすぎてから生活が困窮しはじめた」という人たちをレポートしているが、40代の新型貧困は決して他人事ではない。ぜひ参考にしてほしい。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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