睡眠不足は肥満に直結!“正月太り”対策の意外な落とし穴
正月太りが気になるこの時期。蓄えてしまった脂肪を早いうちになんとかしたいと考えている人は少なくないはず。ダイエットといえば、真っ先に運動や食事制限を思い浮かべてしまうが、実は見落としがちな生活習慣がある。
「睡眠は肥満と密接な関係があるんです。しっかりと睡眠をとる人は肥満になる確率が低く、逆に睡眠不足の方は太りやすいというデータが報告されています」と語るのは、「脳と体の仕組みから絶対にリバウンドしないダイエット法」を解説した書籍『何をやっても痩せないのは脳の使い方をまちがえていたから』がロングセラー中の精神科医の奥田弘美氏。
「睡眠が不足すると食欲を湧かせるホルモンであるグレリンが分泌されるため、やたらとお腹がすいてしまいます。また、満腹中枢を刺激して食欲を抑えるホルモンであるレプチンが低下するため、普段より食べすぎてしまうということがわかっています。つまり、睡眠不足によって『食欲過多』と『食べすぎ』というダブルの肥満効果が出てしまうのです。しかも、アメリカの調査では睡眠不足になると甘いお菓子やポテトチップスなどのスナック類、パスタやパンなどの炭水化物が特にほしくなるという結果も出ています」
睡眠不足と食べすぎとの関係は明らか。そして、太りにくい状態を維持するためには7時間は睡眠時間が必要だという。
「特に5時間以下しか寝ていないという方は要注意です。睡眠時間の短い人のほうがグレリン濃度が高く、レプチン濃度が低く、肥満傾向にある人が多いという結果が海外の研究では出ています。また、平均睡眠時間を7~8時間とっている人に比べて、4時間以下の人は73%も肥満になる確率が高く、5時間の人は50%、6時間の人は23%肥満になりやすいというデータもあります。まさに睡眠不足は肥満へいざなう恐ろしい生活習慣であるといえるでしょう」
長期連休明けのため、どうしても睡眠のリズムは崩れがちだが、一刻も早く立て直すことが心身に大きな影響を与えるよう。
「『ストレスは寝て解消する』という習慣は、本来、すべての人間にプログラミングされていた自然な習慣のひとつなのだと思います。それが大人になるにしたがって、仕事や趣味などで夜更かしが増え、睡眠がもたらすストレス解消と肥満予防の効果効能を忘れ去ってしまった人が多いのです。しかし、健康的に肥満を解消したいのでしたら、今日の夜から最低でも6時間、できれば7~8時間たっぷり眠る生活習慣に変えていきましょう。睡眠不足状態が体から消えていくにしたがって、心身の疲労やストレスが解消されていき、昼間も軽やかにしっかり動けるようになっていきます。もちろん睡眠は健康だけではなく、見た目にも大きな影響を与えます。睡眠をしっかりとると、全身の代謝がアップするので、むくみがとれ、リンパ管から老廃物が排出されやすくなるので、顔も体もスッキリと引き締まりますよ」
<取材・文/日刊SPA!取材班>
【奥田弘美氏】
精神科医師(精神保健指定医)、日本医師会認定産業医、作家。少女時代に肥満のため「ブー」というあだ名を付けられ傷ついた経験から、「どうしたら太らない食べ方ができるか?」というテーマで若い頃からダイエット研究に熱中。医師として安全なダイエット法を吟味しながら、精神科医としての視点で「太らない人の食べ方」を考察した結果、「考え方」、「脳の使い方」に大きな違いがあることに気づき独自のダイエット法を体系づける。本書のダイエット法を自ら実践した結果、2児の出産を経て45歳を過ぎてもBMI20、洋服は常にS~Mサイズの健康スリム体型を維持している。現在は精神科医・産業医として都内20か所の企業にて、日々多数のビジネスパーソンの心身のトータルケアを行うほか、銀座スキンクリニックではカウンセリングルームを持ちメンタルケアコーチングやダイエットコーチングを実施。心のストレスケアとともに行う安全で実践しやすいダイエット法には定評があり、ビジネスパーソンのメタボ解消や女性の健康ダイエットを日々サポートしている
『何をやっても痩せないのは脳の使い方をまちがえていたから』 精神科医が教える「脳で痩せる方法論」 |
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