出禁は日常茶飯事! THE CRAZY SKB「やりたい放題の32年間」を振り返る
狂人白書』(LOFT BOOKS)が発表された。今回SPA!は数々の伝説をもつTHE CRAZY SKBとの接触に成功。バンド、プロレス、レーベル活動の危険すぎる裏側に迫った。
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――32年間の活動の集大成ともいえる『狂人白書』を発表されました。感慨深いものがありましたか?
「いや、もう次を考えてますね。この本も元々666ページの倍あったんですよ。出版社のほうでこれが限界だってめちゃくちゃ省いたので、続編もすぐに出せます(笑)」
――そもそもバンドやプロレスを目指すキッカケはなんだったんですか?
「元々悪役プロレスラーが好きだったんですよ。楽器と客を相手に戦って、ブッチャーやシークみたいな立ち回りができたらと思ってバンドをはじめました。そのなかでスターリンや非常階段の影響を受けて。それ以前だとドリフターズですね。それがぐちゃぐちゃになって新しいものに生まれ変わったというか」
――その後、猛毒やQP-CRAZY、ハイテクノロジー・スーサイドなど30以上のバンドをやってきました。これまでメジャーにいく話はなかったんですか?
「いくらでもありましたけど、全部断りましたね。メジャーいくとあれこれ言われて、やりたいことはまずできない。自分はお金じゃなくてやりたいことがやりたいので、こっちの道を突き進んでます。レーベルの殺害塩化ビニールができたころにも、『イカ天の第一回に出てくれ』と言われたんですけど、断りました。今でいうアイドルブームみたいな感じで、あまり乗ろうと思いませんでしたね。その頃のライブハウスって危ないところで、客も命がけで来なきゃいけなかった。殺るか殺られるかで笑顔とかないですよ。そういう中でやっていたから、その頃はちょっと違うなぁと。今思うと出て番組終わらせるべきだった(笑)」
――過激なパフォーマンスで出禁になることも多いそうですが、一番心に残ったバンドはどれですか?
「心というか身体に残ったのはハイテクノロジー・スーサイドですね。何回救急車に運ばれて死にかけたことかっていう。自殺がテーマのバンドだったんで仕方ないですけど(笑)」
――バンドで過激なパフォーマンスしながら、暗黒プロレス組織666ではレスラーとしても活動されていますね。
「11年前に団体を旗揚げしましたけど、実際にやってみてバンドと変わらないというか、こんなもんかと思いましたね。ただ、一般的にプロレスと呼べるようなものではないと思います(笑)。自分のなかでプロレスとは何なのかと解釈して始めたプロレスです。対戦相手もバンドでいうメンバーというか、やっぱ対お客なので」
――ライブをやるのと同じ感覚なんですね。
「最初は『勝ちゃいいんだろ』と思って、身体中に包丁を着けて体当たりしようとしたんですよ。相手はデカいし、それをやれば勝てると思ったんですけど、なぜか周りに止められて(笑)。それで身体中に爆竹を着けて体当たりとか、そういう方向にもってたんです」
――バンドもプロレスもまさに命がけですね。32年間突っ走ってきましたが、次はこれをしかけたいという企画はありますか?
「殺害塩化ビニールとしては、流通できないようなヤバいやつをCD-Rで連発して手売りしようかと。常にかき回そうと思ってます。ほかは言えないことばっかです(笑)。けっこうパクられるんですよ」
――猛毒ではかなり昔からサンプリングを取り入れていましたし、真似するのは難しいんじゃないですか?
「今はパソコン一台でできますけど、当時は誰もそんなことやってなかったんで。子供の頃、テレビからカセットテープとかビデオで録ったストックを出して使ってました。そのへんはセンスで上いってやろうっていうか。ほかに花火とか爆竹使うバンドいますけど、『同じ素材を使ってもお前らとは違うんだ』ってのはすごいありますね。火のつけかた、花火の選び方、導線の繋ぎ方……。全部上にはいかせないってのはあります」
――まだ負けねえぞっていう。
「守りに入っちゃ絶対ダメだと思うんで、老人になろうが常に攻撃態勢ですね。死んでもゾンビになって(笑)。死んでも死なねえぞっていう」
32年間、ほかでは真似できない独自の道を突き進んできたTHE CRAZY SKB。はたして2015年はどのような伝説が生まれるのか。その壮絶な生き様から目が離せない。 <取材・文/長谷川大祐(本誌)、林バウツキ泰人>
●殺害塩化ビニール×暗黒プロレス組織666-TRIPLESIX-主催ライブイベント
<DIE666怪>悪魔の乱交パーティー+絶叫屋敷の宴+2015
開催日 :2015年1月24日(土)
開 場 :17時00分
開 演 :17時30分
場 所 :新宿ANTIKNOCK(アンチノック)
【出演】
猛毒/ザ・デジタルシティジャンキース/呑百姓/ベッド・イン/READY TO KISS/ネクロノマイドル/鼠先輩/エミ・エレオノーラ(デミセミクェーバー)/池田魔II/THE STARBEMS/666所属選手/葛西純/ほか日刊SPA!編集。SPA!本誌では谷繁元信氏が中日ドラゴンズ監督時代に連載した『俺の職場に天才はいらない』、サッカー小野伸二氏の連載『小野伸二40歳「好きなことで生きてきた~信念のつくり方~』、大谷翔平選手初の書籍となった『大谷翔平二刀流 その軌跡と挑戦』など数多くのスポーツ選手の取材や記事を担当。他にもグルメ、公営競技の記事を取材、担当している
THE CRAZY SKB……通称・バカ社長なる人物をご存知だろうか? イベント会場からの出禁は日常茶飯事、救急車で運ばれた回数は数知れず。バンド活動をしながら、プロレスラーとして活躍し、さらにはレーベルオーナーの肩書きまでもつ、アンダーグラウンドのカリスマである。
これまでステージやリング上での爆竹、凶悪武器の使用などで悪名を轟かせてきたTHE CRAZY SKB。過激なパフォーマンスのせいもあり、主要メディアで目にする機会は限られているが、先頃その悪行をまとめた著書『
『狂人白書』 ザ・クレイジーSKB&殺害塩化ビニール伝説 |
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