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NHKでパンクとメタルがトークバトル! 対立を経て進化したジャパニーズメタル

<文/山野車輪 連載第17回>

公共放送(NHK)でパンクとメタルがトークバトル!


 1971年生まれの筆者は、70年代洋楽ロックについては、当然リアルタイムで体感したものではなく、知識と音源によって後年知ったものである。そもそも筆者の音楽的ルーツは70~80年代のアニソンや歌謡曲なので、その真逆に位置する70年代洋楽ロックは、はっきり言って感覚的にわかりにくい世界だったりする。今回は、このような言い訳めいた前置きをした上で、あえてパンクとメタルの関係について論じてみたい。

 かつて、パンクとメタルは対立しているとされていた。パンクとメタルの間には、考え方やスタンスの違いがあり、特にパンクスはメタルに対する敵意をあらわにした。そしてそれは、「メタル狩り」と称する暴力行為にまで発展していった。

 元号が平成になった頃、NHK総合にて『燃えてトライアングル トークバトル パンクVSヘビーメタル』(1990年4月21日)という番組が放送された。パンクとメタル双方の評論家が招聘され(パンク側は大貫憲章、メタル側は伊藤政則)、当時活躍していた双方のミュージシャンらが討論するという番組内容だった。

現在の大貫憲章氏(左)と伊藤正則氏(右)(大貫憲章ツイッター@KENSHO_ONUKI、伊藤政則のロックTV! 公式 @MASAITO_ROCKTVより)

 番組は対立を煽るが、参加したパンクスとメタラーは、見世物に仕立て上げようとするNHKの制作サイドの意図を見抜いて番組批判を始める始末で、リアルタイムで観ていて非常に面白かった。この番組の内容は薄っぺらかったが、放送されたこと自体には大きな意義があったと言えよう。何にせよ、当時パンクとメタルの対立関係は、公共放送が取り上げるほどの題材だったのだ。

 ところで、最近、NHKの受信料判決が話題だが、ネット時代の現在、情報媒体は激増しており、公共放送の存在意義は薄れている。であるならばNHKは、社会情勢に合わせて、契約者だけ視聴できるスクランブル放送にしてもらいたい。国民が合意していない受信契約の締結義務は、「公共放送を観ない自由」の侵害になるのではないか、……とついパンク的な意見表明をして脱線してしまった。話を戻そう。
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パンクとメタルの因縁の歴史

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ジャパメタの逆襲

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