還暦間近でたどり着いた仕事はピンサロのボーイだった…
薄給で過酷な労働を強いられる50~60代。若者だけでなく中高年の労働市場でも注目され始めたブラックバイトの実態に迫る
◆夜はお店、昼間は無給の雑務。ピンサロの住み込みボーイ
●Tさん・男性(58歳)埼玉県/前職:飲食FC店長
●前職の年収:410万円/現在の年収:260万円
前職はファミレス店長。異動続きの人事にうつ病になり失職したTさん(58歳)。ローン破綻で自宅を失い、妻は実家に帰ってしまった。失業保険もあっという間に終了。「どこでもいいから住み込みで」と探したのが、郊外のピンサロ店の住み込みボーイだった。
だが、住み込みといっても与えられたのはトイレ風呂なしの3畳間。店舗の物置スペースを間仕切りした部屋だった。しかも、家賃3万円がギャラから天引きされる。
「仕事は客の案内、電話番、掃除、ゴミ出し程度で難しいことはないけど、寝る時間がない。営業時間は15時から翌2時までだけど、日中の雑用(無給)がヒドい。幹部の運転手や嬢の部屋掃除をやらされて、平均睡眠時間は4時間です。みんな1か月以内で辞めていきますが、なぜか私だけ『辞めたら罰金20万円払え』って言われます」
労働基準法どころの騒ぎではないが、店の上にヤクザがいるかもしれないため「訴えたら県外に逃げないとダメかな」とTさん。
「寝坊や居眠りなど罰金項目が8つも9つもあるけど、堪えるしかない。何年か耐えると店長になれるそうですが、その間に体を壊したら、もう自殺する以外ない」
※写真はイメージです
― [中高年ブラックバイト]のヒドすぎる実態 ―
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