悪質な「遺伝子検査キット」企業による個人情報の流用に注意
今話題の遺伝子検査。病気が防げる? 画期的なダイエット法がわかる? そんな期待を抱かせる、お手軽“遺伝子検査キット”の実態に迫る!
⇒【前回】「遺伝子検査」はすべてがわかるわけではない!? https://nikkan-spa.jp/842794
◆悪質な企業による個人情報の流用に注意
アメリカではCLIA(クリア)という公的な検査機関が事業者を監視しているのだという。その点、日本では医療として行っている遺伝子検査以外については、いまだ規定がない。
「データを集めて次世代の医療に役立てようとする研究母体や真摯な企業も確かにあります。でも、とにかくデータを集めようという企業もありますから、あまりに気軽に利用してしまう風潮を少し危惧しています。究極の個人情報ともいえる遺伝子データは、利用しようと思えば、いろんなことに利用できてしまいますから」
遺伝子データの応用は研究途上だが、既に薬学的な領域では、ある人には、どんな薬が効くかがわかってきて、逆に副反応が出る薬もわかりはじめているという。ある人には良薬である一方で、同じ薬が毒として作用する人が特定できることがあるというのだ。
取材前には、身近になった遺伝子検査によって効果的に病気予防や体質改善が行えるという話を聞く予定だった。だが、認定遺伝カウンセラーの四元淳子氏から聞けたのは厳しい実情――。
「それでも将来性は、すごく期待しています。10年後には、より具体的に医療に生かせるようになっていると思いますよ」
<専門家から見た遺伝子検査キットの要点>
1.疾病や肥満は遺伝子だけでは決まらない
2.検査結果は占いだと心得てあまり深刻に受け止めない
3.気軽に遺伝子検査して情報を渡さないように
<在宅でできる主な遺伝子検査サービス>
●ジーンクエスト(4万9800円)
東京大学発のベンチャー企業。病気や形質に関係する約5000種類の遺伝子を調べ、200種類の項目それぞれの病気リスクや体質などの情報が得られるとする。がんや高血圧など病気発症のリスクや、近視や薄毛などの体質に関する遺伝子情報を調べてくれる。唾液を採取し送付すると、4~6週間後にはWeb上で検査結果が確認できる
【四元淳子氏】
認定遺伝カウンセラーであり、お茶の水女子大学の助教。昭和大学病院などでカウンセリングも行っている
取材・文/河原塚英信 写真/アフロ

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