天才ピアニスト・ジョヴァンニ・アレヴィの「日本にまつわる4つの曲」

⇒【vol.1】https://nikkan-spa.jp/885744 ジョヴァンニ・アレヴィ ジョヴァンニ・アレヴィには、タイトルに日本が関係する4つの曲がある。現在、46歳の彼が初めて日本に関心を持ったのが、小学校5年生の10歳のときだ。イタリアでは小学校は5年生までで、当時は卒業研究のようなものがあったという(現在もその制度があるのかは本人も不明とのこと)。 「地理の課題でどこの街でもいいので、自分の興味のある街を紹介してください、というテーマでした。日本を選んだことに特に大きな理由はなかったんですが、なぜか日本を選ばずにいられなかったんですね。おかげさまで日本の地理も全部勉強しました。僕は『前世は日本人だったのかもしれない』と言っていますが(笑)、実際、鹿児島で桜島を見たときに『これは絶対に前に見たことのある景色だ』と思ったりしました。ともあれ、言葉にしがたい“ミステリー”みたいなものが、僕と日本の間にはあると思っています」  さて、ジョヴァンニの曲の“生まれ方”を探るために、彼の「日本にまつわる4つの曲」をご紹介していこう。 「Japan」(17歳のとき、初めて“作った”曲。1986年頃? とても静かで美しい旋律の曲。特に和風の旋律などが取り込まれているわけではない) 「Piano Karate」(ジョヴァンニ曰く、1990年から1997年の間には完成しているとのこと。「空手」の名の通り超絶的な技法を用いたアグレッシブな曲調だが、「実は緻密な12音技法が取り入れられている」らしい。この曲を聴けば、ジョヴァンニのピアニストとしての技量が桁外れたものであることがわかる、という一曲) 「Tokyo Station」(2010年発表。2008年の初来日時、東京駅の改札を出たときに“降ってきた”という。確かに東京駅の雑踏をイメージさせる若干不安感のある旋律で始まり、美しいメロディーが交錯するなど、さまざまな人が交差する“駅”を感じさせる曲である) 「yuzen」(2015年発表。2013年、4度目の来日ツアーは2週間という長い滞在期間だったが、生まれて始めてという謎の高熱に冒され、4回も病院へ。金沢のホテルで熱に浮かされているときに“降ってきた”という曲。曲名はもちろん「友禅」のことだ)  今回、この4つの曲についてジョヴァンニに詳しく話を聞いたのは、日本に実際に来る前の「Japan」「Piano Karate」と、日本を体感したあとの「Tokyo Station」「yuzen」では、何か曲の“生まれ方”に変化があるはずだと思っていたからである。特に「Tokyo Station」が確かに「東京駅」を感じさせる曲だったので、「やはり現場に来ると、その印象が彼の頭の中をめぐる音楽にも影響を与えるんだな」と考えていた。  ところが、ジョヴァンニは「僕にとってはあまり変わりがない」と断言する。これには大変驚いた。ジョヴァンニが続ける。 ⇒【vol.3】「自分が危機状態のときに音楽が降りてくる」天才ピアニスト・ジョヴァンニ・アレヴィにとって作曲とは? 取材・文/織田曜一郎(週刊SPA!) 通訳/堂満尚樹 写真撮影/高木あつ子
THE PIANO OF GIOVANNI ALLEVI His Best 1997-2015

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